住居内でも熱中症にかかる
いよいよ暑い夏がやってきた。今年は、例年より気温が高くなる予報が気象庁より発表されており、「覚悟の夏」を過ごさなければならないだろう。
厳しい暑さが続くと注意が必要なのが熱中症だ。8月15日ぐらいまでの間が最も熱中症が起こりやすいとされている。

熱中症は屋外でかかるものと思われるかもしれないが、実は住宅内で過ごしている際も軽視できない。総務省消防庁の過去5年間の統計データによると、熱中症は7月に急増し、半数以上が高齢者で、約4割が住居内で起きている。厚生労働省の調査でも屋内の熱中症は全体の41%に上っている。
「渡る世間は鬼ばかり」などのテレビドラマや映画で庶民的な名脇役として親しまれた女優、野村昭子さん(享年95歳)が7月1日、1人暮らしをしていた自宅寝室で倒れているのを親族が見つけ、死亡が確認されたが、死因は熱中症であったとされている。
酷暑になると、家の中の室温が高くなり、体に熱がこもりやすくなることで、熱中症を引き起こすことになる。エアコンを止めたり窓を閉めたりしたまま寝ると、夜も室内の温度や湿度は下がらず、寝ている間に熱中症になってしまうこともある。
『たしかな家づくり』(若葉文庫)などの著書がある一級建築士で日本建築検査研究所代表の岩山健一氏は「熱中症という視点でみると、大手ハウスメーカーが量産する『軽量鉄骨住宅』が非常に危険な住環境になっています」と警告を促す。