本物はめちゃくちゃまずいらしい
ほんとうのクリオネを食べた茸本朗さんによると、クリオネはまじでまずいらしいです。歯ごたえはまあまあだそうですが、とにかくシンナー臭くて苦いとのこと。なんだかショックです。
グミにすると、おいしく、しかもしこたま食べられました。罪悪感もありますが、本物をバクバク食べるという強めの罪悪感はありません。
クリオネグミは、クリオネイーター(クリオネをどうしても食べたい人)にはもってこいではないでしょうか。
海の中をパタパタと泳ぐチャーミングなクリオネ。
かわいい。食べたい。
そんな野望をはたすべく、クリオネ型のグミを作ってしこたま食べてみました。
「流氷の天使」ことクリオネ。
なんという造形でしょう。かわいさ100点満点です。
かわいいクリオネ。クリオネがお菓子なら頭から食べてしまいたいという気持ちがあります。
しかも1匹じゃイヤです。しこたま食べたいのです。
友人の四谷くんに、「クリオネ食べたい」と吐露したところ、
四谷くんにしたら、ものすごく抵抗感があるらしいです。(クリオネをいっぱい食べる魔王はちょっとかわいい気がしますが)
しかし、どうしても食べたい。夏がどんどん近づくにつれ、気持ちがおさえられなくなりました。
この気持ちを満たすために、クリオネ型のグミをたくさん作ってみようと思います。
また、クリオネのイメージにぴったりな「ひんやりデザート」を作って、涼をとりましょう。
グミを作るためには型が必要です。
調べたところ、おもちゃメーカーのメガハウスが12年前に「グミックス」シリーズの一つとして発売していました。クリオネのほか、ペンギンやマンタの型もセットになっています。(定価1650円)
「こりゃええ」と思い、ネット検索をかけたのですが、現在販売されていない上に、中古サイトでは5000円〜7000円で取引きされているという状況。
謎のクリオネ型バブルを目の前に、「3Dプリンターをつかって、自分で作ったほうがいい」という結論になりました。
クリオネを食べることに賛同しかねていた四谷くんに頼んだところ、
やさしいです。どうやら彼の中では、クリオネを食べることと、クリオネのグミ型を作ることは別のようです。
難しい曲線も再現。すごい。
(ただ、ディスプレイの上に錠剤が大量に置いてあるのが心配です)
この型に、すでにかわいさが宿っています。クリオネは輪郭だけでチャーミングをまき散らせるんですね。
いくつか細長い雪だるまみたいなくぼみがありますが、これはクリオネの体内の赤いところ用です。
さっそくクリオネを作っていきましょう。
どちらも砂糖をくわえ、透明なほうにはレモン汁をいれました。さわやかなレモン味のクリオネグミになる予定です。
作り方は簡単、①ゼラチンの液を型に流し込み、②冷蔵庫で冷やすをくり返します。
ここでポイントなのは、
ゼラチン液を同時にいれると混ざってしまいます。内臓のりんかくをはっきり浮きだたせるために、ぜひとも手間をかけたいところです。今後、クリオネグミを作られる方は参考にしてください。
冷蔵庫で冷やします。
つまようじではがしていきます。
この作業では、足とツノを丁寧にはがさなくてはいけません。
ちまちまと細かい作業をかさねて・・・
デフォルメしていますが、パッと見でクリオネとわかります。成功です。
実は、きれいに作るのは結構難しく、研究に研究をかさねました。
夏の夜12時に実家の台所で、「ゼラチン5gで理想のかたさのクリオネになるな・・・」とか「4分冷やせば赤い内臓がきれいにできるぞ・・・」とか考えてニヤリとしている自分はギリギリだったと思います。
台所にこもって、黙々とクリオネグミを製造し続けたところ、
たくさんできました。
母親に見せると、「気色わるっ」とすごいスピードで言われました。たしかに面食らうビジュアルではあります。
そもそも群れのクリオネを見たことがないので、圧巻の数です。
それではクリオネグミを味わってみましょう。
ひとすくいで12匹です。これが「贅沢」なのでしょうか。
「うふふ」となりました。
噛むとクニュっとした食感で、甘酸っぱいレモンの味が広がります。
「コアラのマーチ」や「たべっこどうぶつ」を、ガサガサッと一気食いするような背徳感を感じつつも、クリオネをほおばっていることへのうれしさが湧きあがります。
私の夏がはじまりました。
クリオネグミをふんだんに使ったスイーツを作って、夏を加速させましょう。
すっきりしたレモネードにクリオネグミなんかいかがでしょう。
目にも涼しいドリンクができました。
このレモネードはなんと、ストローでクリオネグミを吸うことができるのです。
うれしさが弾けました。
タピオカのもちもち感とは違い、クリオネグミはクニクニした弾力があります。清涼感のあるドリンクにはぴったりの噛みごこちです。
2品目は、ぷるぷるのゼリーにクリオネをとじこめたスイーツです。
下はミルク味、上はソーダ味の2層のゼリーです。
遊泳するクリオネをすくいとって食べるという、(賛否両論あるでしょうが、)私にとってはたまらない スイーツです。
クリオネの住む冷たい海を感じさせるつめたいスイーツで、人の一生分くらいはクリオネグミを食べられたように思います。
かるく50匹くらいは平らげたでしょうか。満足です。
ほんとうのクリオネを食べた茸本朗さんによると、クリオネはまじでまずいらしいです。歯ごたえはまあまあだそうですが、とにかくシンナー臭くて苦いとのこと。なんだかショックです。
グミにすると、おいしく、しかもしこたま食べられました。罪悪感もありますが、本物をバクバク食べるという強めの罪悪感はありません。
クリオネグミは、クリオネイーター(クリオネをどうしても食べたい人)にはもってこいではないでしょうか。
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