だめ、ぜったい。
生クリームのスプレー缶知っていますか? アメリカドラマで失恋した主人公が、アイスに「プッッッシューーー」と大量にクリーム投入するあるあるシーンでおなじみです。生クリーム好きは口の中に直プシューしたい!という夢を抱きます。
ハイカロリーの生クリームもある意味危険ですが、本気で危険なのはスプレー缶に含まれる亜酸化窒素を目的とする人々。一部の若者の間で、ハイになれる笑気ガスドラッグとして乱用されているんです。亜酸化窒素吸引がどれだけ危険か、一時期歩行困難になった男性のケースをまとめたレポートが公開されています。
神経に甚大なダメージも
問題の男性が救急病院を訪れたのは、腕にしびれを感じて6週間、歩行困難になって2週間も経ったころでした。男性曰く、症状がでる2カ月ほど前から亜酸化窒素を吸っていたと言います。診察の結果、脊髄や神経にダメージが見られ、亜急性連合性脊髄変性症の兆候があることがわかりました。
亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12の欠乏によって引き起こされる症状。亜酸化窒素を長期間服用すると、体内でのビタミンB12の供給に異変がでることがわかっています。男性はビタミンB12の注射を打つことで回復。その後、亜酸化窒素の使用はやめたということです(当たり前だ!)。
若者のスプレー生クリームを利用した亜酸化窒素吸引を重く受け止めたニューヨーク州では、未成年への亜酸化窒素を含むホイップクリームチャージャー(エスプーマのような泡立てマシン)のカートリッジ販売を禁止する条例ができるほど。
生クリームはクリームとして楽しみましょう。クリームを泡立てるガスを狙ったらダメ。コンドームの煮汁にしろ、生クリームガスにしろ、若者が捻り出すアイデアの力は素晴らしいので、その方向性だけ変えてください。
Source: New England Journal of Medicine