Webもアプリもちゃんとチャットできる! けど、別モノ。
ChatGPTを開発したOpenAIの創業メンバーでありながら、数年前に手を引き、最近はOpenAIへの批判が目立っていたイーロン・マスク氏。そのマスク氏が満を持して、OpenAIでもGoogleでもない第3の選択肢を目指す新AI「TruthGPT」の開発を発表しました。
さっそく「TruthGPT」で検索してみると、こちらのWebサイトがヒットします。見れば、TruthGPTはすでに立ち上がってチャットもできる様子。さすがイーロン、仕事早すぎ!と思いきや、こちらよくよく調べるとただの同名さんであることがわかりましたので、みなさん気をつけてくださいね。
前からあったほうのTruthGPT(便宜的に「TruthGPT One」と呼びます)のWebサイトには、当然かもしれませんが、マスク氏に関する記述はとくにありません。が、マスク氏と無関係であるとも書いてないので、マスク氏のTruthGPT発言を見て検索した人の一定割合の人は誤解しちゃったんじゃないでしょうか。
内容的にも、TruthGPT Oneは「バイアスのない真実」が見つかるAIチャットボットだと標榜していて、マスク氏と同じ課題意識を共有しているようです。しかもネイティブの暗号通貨「$TRUTH」を同時に立ち上げたそうで、トークンを入手すると追加機能を使えるとされており、暗号通貨推しっぷりもイーロンっぽいんです。ボットの会話もある程度滑らかにできるし、脈絡なく陰謀論批判に反論してきたり、ただ「Hello」と言っただけで「Truth(真実)」の重要性を熱く語ってきたりして、こだわりを感じました。

でもTruthGPT OneのWebサイトからリンクされたTwitterアカウントには、「イーロン・マスクに先手を打った」「我々はイーロン・マスクのGPTとの関係はゼロだけど、やってることはまさに同じ」とあり、ここでやっと赤の他人であることがわかります。筆者はここにたどり着くまでに1時間以上かかり、彼らの暗号通貨も買おうかと思っちゃってましたよ…。
We beat Elon Musk to it… pic.twitter.com/StDMpggvfl
— TruthGPT (@TruthGPTone) April 18, 2023
ちなみにTruthGPT Oneにはモバイルアプリもあるんですが、もっと紛らわしいことに、「TruthGPT」を名乗るモバイルアプリはもうひとつあるんです。つまり「TruthGPT」は、マスク氏の発表の前にすでにふたつ存在してて、マスク氏のTruthGPTは第3のAIどころか、第3のTruthGPTになってしまったのです。TruthGPTを名乗るTwitterアカウントに至っては、TruthGPT Oneのものも含めて20個以上存在します。

そもそもマスク氏が今年2月に「我々にはTruthGPTが必要だ」って言っちゃってて、だからみんなその名前でアプリ開発したりアカウント作ったりしちゃったんですね。自分でタネをまいたこの状況、マスク氏はどう収拾するんでしょうか?