「ThinkPhone」はここがThinkPadでした

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「ThinkPhone」はここがThinkPadでした
Photo: Florence Ion / Gizmodo

ThinkPadブランドのスマートフォン「Lenovo ThinkPhone by Motorola」が発表されました。日本での販売があるか現段階では明らかになっていませんが、ThinkPadとの連携やデザインのマッチさから、すでに気になっている企業担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。米Gizmodoがソッコーで触ってきました。第一印象はこんな感じです。


会社から支給される業務端末は、一般的な個人端末にはない専用機能がついていることがあります。が、ビジネス向けといいつつLenovo ThinkPhone by Motorolaはそういうことではなく、オフィス仕事を効率的にするためにシンプル化に行ったタイプ。

サイドに便利なショートカットボタンはあるものの、基本は遊びを減らした仕事集中マシン。退屈なスマホだと言う人もいるかもしれませんが、そこは業端なのでね。業端にエンタメはなくていいんでね。むしろ、業務時間が終わったらいさぎよく電源落としてもいい、ThinkPhoneはそんな端末です。

Lenovo ThinkPhone by Motorola

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Photo: Florence Ion / Gizmodo

これは何?:ThinkPadブランドで装飾されたビジネス用スマホ(作ったのはMotorola)。個人用向けではなく、仕事をこなすためのTHE業務端末。

価格:700ドル(約9万5000円)

好きなところ:堅固なクオリティと適切なスクリーン。Windowsが使いやすい。

好きじゃないところ:カメラがビミョー…。



確かにThinkPadなPhone

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Photo: Florence Ion / Gizmodo

ThinkPhoneの最大の特徴は、やっぱりビジネス用ノートPCとして人気な「ThinkPad」シリーズの要素を取り入れたデザインです。90年代のテック系ビジネスマンを彷彿とさせます。カーボン調のボディで、背面にはThinkPhoneロゴ、象徴的なレッドドットもちゃんとあります。

気になるのはこのボディがマット加工だということ。数日使ってみましたが、指紋がめちゃつきます。これ、油汚れをひきよせるやつだ…。ポテトとかデスクで食べながら触ったら大変なことに…。お手拭き必須ですね。

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Photo: Florence Ion / Gizmodo

ボディには4つの物理ボタンがあり、右サイドに音量で2つ、電源で1つ。

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Photo: Florence Ion / Gizmodo

残る1つ、左サイドのボタンは、ThinkPadシリーズに搭載されている赤いトラックポイントをイメージしたものです。カスタム可能で、シングル・ダブルタップなどのアクションに、特定のアプリを起動・スクリーンショット撮影・画面撮影スタートなどのタスクを割り当てられます。

基本はよくあるAndroidスマホ

スクリーンは6.6インチのOLED FullHD+ディスプレイ(リフレッシュレートは144Hzですけども)。描写は青みがかっていると思います(Galaxy S23 UltraのSuper AMOLEDディスプレイほどではありませんが)。Pixel 7のディスプレイより黄色みが弱い感じです。

ボディはミリタリーグレードのアルミ製で、IP68の防塵防水に対応しています。

あとはDolby Atmos対応のデュアルステレオスピーカーに充電端子はUSB-C。NFCにも対応しています。

スペックも「今年のAndroidスマホのスタンダード」といった感じ

SoCはSnapdragon 8+ Gen 1、メモリは8GB/12GB、容量は128GBから512GB。

バッテリーは5000mAhで、他のスペックを思うとバッテリーは強めで、Galaxy S23 Ultra、OnePlus 11、去年のMotorola Edge+クラスです。バッテリーのフルテストはできなかったものの、1時間の動画連続再生でバッテリーの減りは5%のみ。高速充電に対応&最大15Wワイヤレス充電対応。同梱されるTurboPower充電器は68Wです。

カメラはあんまり期待できない感じ

デュアルカメラで、メインが50MP(F値1.8、光学手ぶれ補正あり)、もう1つは13MPの超広角(視野120度)。動画撮影は最大で8K(30fps)可能。

先述のMotorola Edge+ぽい感じで、夜間性能もほぼ同等です。Edge+のカメラでの夜間撮影はビミョーなので、きっとThinkPhoneの暗所撮影もビミョーだと思います。仕事のスナップ撮影用(現場や品物の写真など)と思えば、事足りるとは思います。

フロントカメラは32MP。

ThinkPhoneならではのソフトウェア

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Photo: Florence Ion / Gizmodo

レノボのThinkPadといえば、つねにメインとなるのはビジネスシーン。そのDNAはThinkPhoneにも継承されています。多少はAndroidにMotorola風味が出てはいるものの、SamsungやOnePlusほどソフトに特徴はなくAndroidそのまま感が強いです。設定画面なんか、まんまGoogleのAndroid。デフォの壁紙がビジネスにしては明るめなのがなんかいいですね。

ビジネス向け!ビジネス業務端末!とアピールするだけあって、最大の魅力はやはりWIndows PCとの相性の良さ。「Ready For」というソフトをダウンロードして設定すると、ワイヤレス接続でAndroidのクリップボードへのアクセスや、スマホからのAndroidアプリのストリーミング、モバイルデータ通信を使ったデザリングが可能。パソコンのウェブカメラとしてThinkPhoneを活用することもできます(Edge+にもある機能)。

セキュリティには人一倍気を使っています

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Moto Secureアプリ内のプライバシーダッシュボードに見つけづらいセキュリティ系がブックマークされてるの優しい。
Photo: Florence Ion / Gizmodo

ビジネス端末なので、セキュリティは強固で当然。Moto Secureアプリでセキュリティ追加できます。例えば、Secure Folderを使えばデータを隠したり、暗号化したりが可能。ロック画面も設定で追加することができます。Androidのセキュリティ系機能ももちろん使えます。

ビジネス向け。ビジネスのみ向け

業務端末と一言でいっても会社によってそれぞれ。スペック低めの端末もあるでしょう。そう思えばThinkPhoneは悪くはない端末。普通。仕事のマシン。Motorolaの端末をビジネス向けに再パッケージしたと言うのが適切で、ThinkPadブランドのスマホがでると噂を聞いたときのわくわくはもうありません。

とはいえ、レノボはMotorolaのラインナップを活用することで、飽和気味のスマホ市場でなんとか居場所をキープしようとしているようです。(Lenovo Legionゲームスマホで迷走してたよりはずっといいと思います。)これで、Motorolaのシェアがどう変わるかも期待。

ThinkPhone発売開始! 日本での発売はまだ?

ThinkPadブランドのスマートフォン「Lenovo ThinkPhone by Motorola」発売。価格は699ドルからで、日本発売は未定。

https://www.gizmodo.jp/2023/04/lenovo-thinkphone-by-motorola.html