本記事は後編記事です。前編記事『「血圧が高くても無理に下げてはいけない」と断言できる「衝撃」の理由』
20歳以上の国民のおよそ二人に一人がかかっているとされる、高血圧症。その基準が今後さらに下がる可能性があるという。その裏では何が起きているのか。医療業界の知られざる思惑を抉り出す―。
飼い慣らされた医者たち
それにもかかわらず、なぜ血圧の基準はこうも厳格化の一途をたどり、しかもその基準は一律なのか。松本氏が、医者と薬の「絶対タブー」の闇を指摘する。
「『高血圧は絶対に下げなければいけない』という考えが常識になった要因として、いちばん大きいのは、製薬会社が医者に対して『血圧は下げるべきだ』と洗脳を図ったことだと思います。
いまの医者は勉強不足という面もあります。大学の講師から『血圧は下げるものだ』と教えられるし、研修医の時も先輩教授から同じように指導されます。それを何の疑いもなく、知識として取り入れてしまっているのが問題なのです」

一方で、「血圧は下げるべきだ」と言われたら、医者にも「その通りだ」と信じたい理由がある。なぜなら、血圧を下げてもらったほうが、患者がたくさん来るし薬も売れるので、自分たちにお金が入って儲かるからだ。松本氏が続ける。
「現に、私が大学を卒業した1969年当時、血圧の正常値は160でした。それを150に下げたところ、日本だけで100万~200万人もの患者が新たに生まれたのです。
しかも、製薬会社に言われたとおりにすれば、医者は研究費や学術費を融通してもらえます。大学病院に勤める教授や医師、私のような開業医にまでお金を融通してくれる。
つまり、医者にとって、製薬会社はスポンサーみたいなものですから、あえて彼らに逆らうようなことはしないのです」