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Q.28歳エンジニアです。プロジェクトの進捗遅延で先月は3回、休日出勤しました。休日に休むのは当然なので、上司に対し、今月の休日出勤を拒否すると発言しました。それ以降私に出勤要請はなかったのですが、休日出勤する他のメンバーが不公平だとしてクレームを申し立てたようです。後日、上司から「協調性を重んじてほしい」と言われました。意味が分かりません。休日出勤が必要なプロジェクト管理しかできない上司の責任です。

 厳しい上司批判ですね。質問者は、この4月に社内システムの運用部門から顧客対応部門に異動したとのことです。異動前に休日出勤はほぼ無く、休日出勤した場合は、振り替え休日があったと言います。

 IT企業に勤める筆者の友人(部門長)は、20代の若手エンジニアにはなるべく長時間残業にならない配慮をしていると話します。長時間働いて元気がなくなる様子が見て取れて、メンタル面を心配してしまうということでした。

 質問者が置かれている労働環境の詳細は分かりません。平日の残業が多すぎる、あるいは現在の配属部門やプロジェクトチームに対して、残業や休日出勤以外の我慢ならない事情や背景があるのかもしれません。

 ここでは、質問者だけが休日出勤を拒否していることと、休日出勤を免除されていることについて限定して述べます。結論としては、休日出勤を拒否する質問者の姿勢は間違っているといえます。

休日出勤の命令は断れない

 そもそも、休日出勤の命令を断ることはできません。

 ただ、急な休日出勤命令の場合、外せない用事がある日と重なることもあります。上司やプロジェクトリーダーは、個人の特別な事情を考慮しながら要員調整をすることになります。

 個々人の事情を考慮するといっても、質問者は休日出勤そのものを拒否しています。調整の余地がなく、話になりません。

 通常、会社の就業規則には、残業や休日出勤への対応が必ず書かれています。会社によって表現の違いはありますが、「残業や休日出勤の命令」の条文があるはずです。確認してみてください。例えば「会社は、業務の都合により残業または会社の休日における労働(以下『休日出勤』)を命ずることがある」「会社は、従業員の過半数を代表する者との労使協定(以下『36協定』)の締結と労働基準監督署への届け出に基づいて命ずるものとする」といった内容です。

 つまり、残業や休日出勤の要請は、業務命令なのです。質問者は休日出勤を拒否しているので、業務命令に違反していることになります。

 会社(上司)は、部下が出勤を拒否し続けるのであれば、相応の懲戒処分になる旨を伝えてください。注意譴責(けんせき)処分に該当する事案です。それでも繰り返し同様のことがある場合は、減給や出勤停止といった重い処分になることがあります。最悪のケースは、解雇トラブルに発展することです。