【最短!牛丼作りの極意】白だしの「使い方」と玉ねぎの「切り方」で誰でも作れる段違いな逸品に!

一人暮らしのポピュラーな外食として覇権を握った牛丼ですが、値上がりして久しいですよね。「ならば、作ってしまったほうがお得!」……ということで、高級風な牛丼を、安価で素早く作るレシピをご紹介します。

こんにちは! ライターの逸見チエコです。

ひとり飯の定番と言えば「牛丼」。

定期的に食べたくなる牛丼ですが、自分で作るのは手間が多くて面倒そう! おいしく作るのはさらに難しそうです。

そこで、ご近所に住む、評判のいい和食店の職人さん(気さく)に「満足できる牛丼レシピ」を教えてもらうことに。

その方のお店はコース料理3万円から、予約できるのは早くて2年後とか。

名店だらけの港区でも知る人ぞ知る玄人好みの高級店です。

もちろん私は行ったことないです! 行きたいけど。

 

和食のプロが作る牛丼とは

そんなすごい職人さんがわが家で牛丼を(教えながら)作ってくれるとは!

プロの技を間近に見られる機会なんてめったにないので、期待に胸が高鳴ります……。

しかもウチ、普通以下の調理器具しかないんですけど大丈夫なのでしょうか。

「ぜんぜん大丈夫ですよ~」とのことでひと安心です。

その日の気分によって選べる、「煮るバージョン」「焼くバージョン」の2パターンを教えてくれることになりました。

▲持参してくれた愛用の道具たち

 

フツーの材料とフツーの道具でOKとのこと。

いつものスーパーに並んでいる、お高くない牛肉で大丈夫だそうです。

 

段違いな逸品にするためのポイント!

段違いな逸品にするために、プロの職人さんがおっしゃるところによると下記の4点が重要です! 中でもポイントは白だしの「使い方」、玉ねぎの「切り方」です。

 

  • 白だしをだしのベースに使います。これによって深いうま味が出るようにします。
  • 安価な牛肉に高級感を与えるため、火を通す際の火力に少し注意してみてください。
  • 玉ねぎは繊維に沿って切ることで食感を残していきます。
  • 牛肉や玉ねぎ、具材の形があまり崩れないように調理するのもコツです。

 

これだけを守れば、普段の牛丼とはひと味違うものになります。

それでは、どうぞ!

 

【「煮るバージョン」&「焼くバージョン」それぞれの材料】(1〜2人分)

  • 玉ねぎ 1/2個
  • 卵 1個(1人分)
  • スライスされた牛こま切れ肉 150g(「煮るバージョン」のみ)
  • や牛こま切れ肉 150g(「焼くバージョン」のみ)
  • 温かいご飯 お茶碗軽く2杯分

▲スーパーで売っている安価な牛肉です

「煮るバージョン」 調味料

    • 水 300cc
    • 白だし(市販のもの) 100cc
    • 料理酒 大さじ2
    • 塩 小さじ1
    • 砂糖 小さじ2
    • みりん 大さじ2
    • 濃口醤油 大さじ2/3

「焼くバージョン」調味料

    • 白だし(市販のもの) 大さじ2
    • 料理酒 大さじ2
    • 砂糖 小さじ3
    • みりん 大さじ2
    • 濃口醤油 大さじ2/3

「煮るバージョン」の牛丼の作り方

まずは「煮るバージョン」を、スライスされた牛こま切れ肉を使い、ご紹介します。

1. 玉ねぎを繊維に沿って5ミリ幅程度に切ります。火の通りが均一になり、きれいに仕上がります。

 

2. 温泉卵を作ります。卵はあらかじめ冷蔵庫から出して10分ほど置いておきます。鍋に湯(分量外)を沸騰させて弱火にし、卵を入れます(この日は3食分作ったので、3個で20分。1個なら10~12分ほど)。その後、水(分量外)を入れたボウルに移します(牛丼に盛り付けるまでそのままでOK)。

 

3. フライパンに少量の油(分量外)を引き、玉ねぎを中火で炒めます。玉ねぎが半透明になるくらいまで炒めます。玉ねぎに汗をかかせること(水分が出てくる)でうま味、甘みが凝縮していきます。

 

4. 火を弱め、料理酒(分量外)をまわしかけ、塩を振ります。

 

5. 玉ねぎに水小さじ1程度(分量外)を加え、弱火を続けます。フライパンの水分を玉ねぎが吸い込み、しんなりしてきます。少し食感が残っているくらいで火を止めます。玉ねぎは「焼くバージョン」用に半分ぐらい取り分けておきます。

 

6. だしを作ります。水、白だし、料理酒、砂糖、みりん、濃口醤油を鍋に入れ、中火にかけます

 

▲白だしなどがたっぷり染みていますね!

 

7. 沸騰したら弱火にして、スライスされた牛こま切れ肉を加えます。箸で軽く揺らし(しゃぶしゃぶの要領で火を通すイメージ)、牛の脂がだし全体に溶けてきたら火を止めます。 味を見て足りないようなら濃口醤油(分量外)を少し加えてください。

 

8. どんぶりにご飯、玉ねぎ、牛肉、最後に温泉卵を盛り付けて完成です。

 

白だしが染み渡っていて、しつこくない味になっています。そして、繊細な火の通し方によって、安価な牛肉が柔らかくとろけるような食感となり、高級感がしっかりアップしていました。

さらには玉ねぎの食感と牛肉とのハーモニーもたまらず、温泉卵による味の変化も楽しめ、一見定番の一品のようですが、ワンランク上の牛丼になりました!

 

「焼くバージョン」の牛丼の作り方

「焼くバージョン」は、やや大きめの牛こま切れ肉を使っていきます。

▲「焼くバージョン」は「煮るバージョン」よりスピーディー

1. フライパン(テフロン加工のフライパンなら油なしでOK)でやや大きめの牛こま切れ肉を、強火で炒めはじめます。

 

▲白だしを入れるタイミングが重要です

2. 牛肉に軽く火が通ったタイミング(赤い部分が残っていてもOK)で、白だし、料理酒、砂糖小さじ2、みりん、濃口醤油を加えます。

 

▲グツグツしてきました

3. 沸騰してきたら、弱火にし、さらに残りの砂糖小さじ1を加え、菜箸で絡めます。

 

▲牛肉のうま味がじわじわと出てくる感じです!

 

▲やっぱり玉ねぎが美しい……

 

4. 「煮るバージョン」の時に取り分けておいた玉ねぎを投入し絡めます

玉ねぎが再度温まったぐらいで火を止めます。「煮るバージョン」のみを作る際の玉ねぎは前述の調理をしまして、このタイミングで投入してください。

 

5. どんぶりにご飯、玉ねぎと牛肉を盛り付けて完成です! こちらは温泉卵なしでいってみました。

 

こちらは、牛肉の香ばしさもありながら、しんなりした玉ねぎが大活躍。牛肉、玉ねぎのバランスによって食べごたえのある牛丼といった印象です。だしもしっかりと牛肉に染み渡っていながら、濃すぎない味付けになっているため、お店で食べたような満足度の高い牛丼になっていました!

 

実際に両方の作り方で食べてみて、

「煮るバージョン」は、家庭で気軽に作り、昼でも夜でも楽しめる「飽きのこない段違いな牛丼」

「焼くバージョン」は、牛丼、玉ねぎ、白だしのアンサンブルをグッと引き立たせた「ご飯をたくさん食べられてしまう段違いな牛丼」

同じ食材でも使い方次第で全く味わいが変わることを知りました。

「煮る」&「焼く」、どちらのバージョンも、一味や山椒を振ってもおいしいですよ

工程自体は何も特別なことはなく、すぐにチャレンジできますよね。

簡単なのに、どうしてこんなにおいしく仕上がるのか。

彼に聞くと、「ひとつひとつの食材の扱い方でしょうか」と笑います。

その姿は、どうしたらこの子(食材)が一番輝くのかな、と日々考えているようでした。

▲自宅で作ってきてくれた「蛤(はまぐり)のお椀」。これも最高でした!

 

彼にはプロとしてこれからもおいしい料理を作り続けていってほしいです。ご近所から応援します!

ごちそうさまでした。

書いた人:逸見チエコ

逸見チエコ

ライター、イラストレーター、まんが家、猫カメラマン、ボサノヴァシンガー。主な著書に『猫カフェめぐり~あの猫に会いにでかけよう~』(エンターブレイン)『まちの看板ねこ』(宝島社)などがある。横幅の広い顔の猫が好き。

過去記事も読む

トップに戻る