iPadで絵を描くメリットってたくさんあるね。
東京都現代美術館で開催中の『デイヴィッド・ホックニー展』。現代で最も革新的な画家の1人といわれているホックニー氏ですが、彼の個展が日本で開かれたのは実に27年ぶり。水彩画や油彩画に限らず、新しい技法を常に取り入れながら描いてきた彼の作品の中にはiPadで描かれた作品がいくつも存在します。
ホックニー氏が最初にiPadに出会ったのは2010年4月のこと。発売当時はApple Pencilが存在しなかったため、人差し指を使って絵を描いていたそう。ちなみにiPadで絵を描くときに使うアプリですが、いくつか試したなかでもBrushesが1番シンプルだったことから10年以上愛用しているとのことです。
御年86歳のホックニー氏は現在フランス・ノルマンディーを拠点に新しい作品を作り続けていますが、2020年から2021年の間に制作された『ノルマンディーの12ヶ月』については全長90メートルにも及ぶ作品で、こちらもなんとiPadで描かれたというのだから驚きです。
なぜiPadで絵を描くのか? 体験してみよう

実際にiPadを使って自分で絵を描いてみること、ホックニー氏のiPadで描いた絵に対する理解を深めることなどを目的に、東京都現代美術館では「iPadで絵を描こう」と呼ばれるワークショップが開かれました。

ワークショップは複数回にわたって実施されるものの、10月9日の回まで既に受付が終了しているほどの人気ぶり。実際に足を運んでみたところ、ご家族やカップルで参加されてる方が多いような印象でした。
このワークショップではテーブルに置かれた花をiPadで描いていきます。使うのはiPadと「メモ」アプリとApple Pencilの3点のみ。
iPadで絵を描くメリットの1つは色を自由に重ねることができることだとホックニー氏は指摘しています。また、違う種類のブラシをすぐに選ぶことができたり、間違えた場合には消してやり直せるのはデジタルの強みといえます。
限られた時間にも関わらず、みなさんスラスラと描いてました。
iPadで描いた絵は最後にスタッフさんが印刷をしてプレゼント。デジタルで描いたモノがこうして形となって受け取れるのは素敵ですね。
また、会場ではiPadを使ったAR体験も行なっていました。Hockney ARという専用アプリをインストールしたiPadをカタログに向けると、iPadで描かれたホックニー氏の作品が画面上で動くというもの。紙とデジタルの融合を見事に掛け合わせた体験に子供は興味津々の様子でした。
iPadで描かれた作品に限らず、さまざまな手法によって作られたホックニー氏の作品を見てみたいと思った方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
「デイヴィッド・ホックニー展」は東京都現代美術館にて11月5日(日)まで開催中です。
主催:東京都現代美術館、読売新聞社