今年も秀作ぞろい!
ロンドン自然史博物館が主催する野生生物写真のコンテスト「Wildlife Photographer of the Year」の、2023年の受賞作品が発表されました。
5万点近く(正確には4万9957点)の応募から選ばれた写真の数々は、海の底や砂漠の絶壁にいる生物たちを激写し、自然界の美しさや複雑さ、そして悲劇を捉えています。
では、ベストショットを見ていきましょう。
Last Breath of Autumn

カラカサタケが笠から胞子を飛ばしている様子を捉えた写真。植物・菌類部門の受賞作です。
Life On the Edge

イスラエルのジン砂漠にある崖の端で対決していた2頭のヌビアアイベックス。どちらも大ケガをすることなく、戦いは終わりました。動物を取り巻く環境部門の受賞作品です。
Whales Making Waves

数頭のシャチがウェッデルアザラシを急襲しているところを空から捉えた写真。シャチたちは餌を手に入れようと、波を立てアザラシを水中へ落そうとしています。哺乳類部門の受賞作。
Owls’ Road House

Young Wildlife Photographer Of The Year賞は、廃墟の窓枠に佇む2羽のメンフクロウを撮影した17歳のCarmel Bechlerさんに。長時間露出で撮影したことによって、前景には道路を通り過ぎる車からの光跡が写っています。
Out of the Blue

スコットランドのスカイ島の水面下を泳ぐ2頭のハンドウイルカ。11〜14歳部門の受賞作品です。
The Tourism Bulldozer

報道写真部門の受賞作は、熱帯雨林の破壊された一画を捉えたこの写真。木々はメキシコ各地の観光名所をつなぐ新たな鉄道路線を作るために、伐採されてしまったのです。
Silence for the Snake Show

こちらは鳥類の行動部門の受賞作。5羽のコモンラッパチョウが、ボアコンストリクターが這って進む様子を眺めています。ラッパチョウたちは小さなヘビを食べることもありますが、約3mもある大蛇だと逆に飲み込まれてしまうかも。
The Dead River

この鳥瞰写真の主役は、インドネシアの首都ジャカルタにある汚染の激しいチリウン川。湿地/大局的な写真部門の受賞作品です。
The Tadpole Banquet

スペインのマラガで撮影された、溺死したスズメのヒナに群がるオタマジャクシという衝撃的な写真。オタマジャクシは雑食性なので、滅多にないごちそうにありつけたわけです。
The Unprotected

狩ったボブキャットの重さを競う西テキサス・ボブキャット・コンテストは、全米で最も賞金の高い害獣ハンティングコンテストです。参加者たちが仕留めたボブキャットを引きずって計量の列に並ぶ光景を捉えた写真が、フォトジャーナリスト・ストーリー賞に輝きました。
2022年のコンテストで最も重いボブキャットを狩った人は、賞金3万5530ドル(約532万円)を得たとか。
Birds of the Midnight Sun

廃工場にいるミツユビカモメの成鳥とヒナを捉えたこのショットでは、奥から太陽に照らされ、鳥たちのシルエットが窓越しに浮かび上がっています。都会の野生動物部門の受賞作。
The Ancient Mariner

今年のWildlife Photographer of the Year賞は、黄金色のカブトガニと3匹のコガネシマアジが並ぶ美しいショットを撮影した海洋生物学者のLaurent Ballestaさんに贈られました。
1億年以上前に地球に出現したカブトガニが悠然と進む様子を捉えこの光景は、フィリピンのパンガタラン島の海底で撮影されています。
Last Gasp

海洋/大局的な写真部門の受賞作は、1度は海に戻されるも再びオランダの海岸に乗り上げてしまった座礁シャチの何とも痛ましい写真です。その後の調査で、このシャチは栄養失調で病気だったと判明しました。
Alpine Exposure

雪に覆われ猛風が吹くフレンチ・アルプスの山頂でたくましく暮らすアイベックス。この写真はライジングスター・ポートフォリオ賞に輝きました。
Hippo Nursery

水中部門の受賞作品は、南アフリカの浅い湖の底で、母カバと子カバ2頭を捉えたこの1枚。
The Art of Courtship

スコットランドのノス島自然保護区で、グアノに覆われた崖を背景に甘いひと時を過ごすカツオドリのつがいをパシャリ。
Lights Fantastic

こちらは妖しく光る、インドにあるアナマライ・タイガー保護区の森林。この画像は19秒露光を50枚重ねており、空を飛び回る無数のホタルの光を写しているのです。
The Wall of Wonder

壁に彫られたヒンドゥー教の神クリシュナと、その左側にいるケワイグモ。クモは一見しただけでは、見逃してしまうかもしれません。
Face of the Forest

ブラジルの熱帯雨林から現れたアメリカバク(別名ブラジルバク)。サンパウロ州タピライにて撮影されました。
Source: The Natural History Museum