AI産業、世界をまたいでしのぎを削ってます。
先日台北市で開催された「Hon Hai Tech Day」(鴻海科技日)で、Nvidia(エヌビディア)のジェンセン・フアンCEOと、Foxconn(鴻海)のヤング・リウCEOは、Foxconnの最新電気自動車製造に加え、自動運転車のソフトウェア設計も行なう「AIファクトリー」を発表しました。
AIファクトリーでは、膨大なデータをAIモデルやトークンで処理するために特別に構築されたNvidia GPUコンピューティング基盤を活用します。このプロセスで使用するチップは、Nvidiaの最新のGH200 Grace Hopper Superchipになるそうです。
いずれあらゆる企業がAIファクトリーを持つようになる
壇上で、Nvidiaのジェンセン・フアンCEOは以下のように述べました。
データをインプットし、インテリジェンスをアウトプットとして生成するファクトリーだ。そして将来的には、あらゆる産業、あらゆる企業がAIファクトリーを持つようになる。自動車を製造するスマートファクトリーが存在し、AIを製造するスマートファクトリーも存在する。 この2つのファクトリーは互いに補完し合う存在になるだろう。

Apple(アップル)のiPhoneをはじめとする世界最大の受託電子機器メーカーであるFoxconnは、スマートシティ、スマートマニュファクチャリング、スマートEVの、3分野をターゲットにしたプラットフォームソリューション企業になりつつあるようです。
NvidiaにとってもAIファクトリーのコンセプトは拡張性があり、これらの産業にも適用できます。
FoxconnのフアンCEOは、
Nvideaもグラフィックチップメーカーからデータセンタースケール・コンピューティング企業への移行期。未来のコンピューターのほとんどはデータセンター・スケールになるだろう。
と述べていました。
アメリカ政府によるチップ輸出制限も
一方アメリカ政府は、先端チップ製造企業の中国への輸出の制限を発表したばかり。Nvidiaは提出書類の中で、このライセンス要件は「当社がタイムリーな製品開発に影響を与える可能性がある」と述べています。
A100、A800、H100、H800、その他のチップはこの制限の影響を受け、サウジアラビア、UAE、ベトナムなど他の国への輸出にはライセンスが必要になります。Nvidiaにとっては大きな打撃となりそうです。