2030年にカーボンフリーを目指して。
Google(グーグル)がデータセンターに必要な巨大なエネルギーを供給すべく、地熱発電を活用しようとしてます。Googleはこの種のものとしては初めての地熱発電プロジェクトを発表し、その仕組みはすでに米国ネバダ州で立ち上がっています。
ネバダで地熱発電
Googleはすでに2007年の時点で、カーボンニュートラルを実現していました。でも、「カーボンニュートラル」とは、「普通の化石燃料から作った電力を使った分だけカーボンオフセットを買った」というだけのことなんですね。
Googleの真の目標はそんなもんじゃありません。2030年までにすべての事業所を常にカーボンフリーで運営しようとしてるんです。
Googleは全社合わせると米国マサチューセッツ州と同じエネルギー(時間あたり18TW)を消費しているので、それをすべて化石燃料なしで賄うのは大変なことです。「24/7 by 2030」(24時間365日カーボンフリー)と銘打った彼らの活動のキーとなるのが、ネバダ州にある地熱センターです。

GoogleはFervoというスタートアップと組んで、このカーボンフリーなデータセンターを作ろうとしています。
地熱エネルギーは天候に左右されないため、太陽や風力による発電より安定しています。Fervoの仕組みでは、地下8,000フィート(約2,400m)から水を汲み上げ、その過程で地熱を利用して水を蒸気にします。蒸気がタービンを回してエネルギーを作り、それがラスベガスなど近隣地域のGoogle Cloudの運営に使われるのです。
地熱発電は可能性大
Googleはこれからわずか6年でカーボンフリーを目指しているんですが、それはエネルギー危機を見据えてのことです。米国エネルギー情報局は、2050年までの原油供給は十分だと予測していますが、その後は不確実で、需給バランス次第で原油価格が法外なものになる可能性があります。Googleはそのときに備えているんです。
Google以外も含めた世界のデータセンターを合わせると、イギリスやインドネシアといった中堅国1国ほどの電力(時間あたり240〜340TW)を使っていました。社会のあらゆる営みの基盤となっているデータセンターを、不安定なエネルギー価格に依存させたままでは、いつか世界全体が大混乱に陥りそうです。
地熱エネルギーの利用は、100%カーボンフリーという壮大な目標に向けた小さな一歩に過ぎません。米国エネルギー省は、地熱エネルギーが2050年までに満たしうる米国の電力需要は全体の16%と見積もっています。
Googleの目標達成のためには、地熱だけでなく、さまざまなクリーンエネルギーの開発スピードを高めていく必要があるでしょう。彼らは今、原子力、水素といった資源、カーボンキャプチャー技術といった、新たなエネルギー調達の道を急ピッチで開発しています。