パーティー裏金疑惑の松野官房長官を更迭へ、首相「役割果たして」から一転・後任調整

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 岸田首相は自民党最大派閥の安倍派が政治資金パーティー収入の一部を還流させるなどして裏金化していた疑惑を巡り、還流を受けた疑いのある松野博一官房長官(61)を交代させる方針を固めた。事実上の更迭となる。首相は後任人事の調整を進める考えだ。

首相官邸に入る松野官房長官(8日午前)=川口正峰撮影
首相官邸に入る松野官房長官(8日午前)=川口正峰撮影

 複数の政府・与党関係者が明らかにした。内閣の要である官房長官の交代で政権運営が不安定化するのは避けられず、内閣支持率が低迷する首相にとって大きな打撃となる。

 松野氏は2019年9月~21年10月に安倍派の事務総長として派閥の実務を取り仕切っていたが、還流疑惑に関して定例記者会見などで説明を拒み続けている。8日の参院予算委員会でも自らへの還流疑惑について、「私の政治団体に関しては適切に処理してきた」と釈明したうえで、「精査して適切に対応していく」との答弁を繰り返した。

 首相は同日の衆院予算委員会で、野党議員が松野氏の更迭を求めたのに対し、「政府のスポークスマンとしての役割をしっかり果たしていただきたい」と強調した。松野氏も「引き続き責任を果たしていく」と述べた。

衆院予算委員会で松野官房長官(中央右)の答弁を巡り、協議する与野党の理事ら(8日、国会で)=川口正峰撮影
衆院予算委員会で松野官房長官(中央右)の答弁を巡り、協議する与野党の理事ら(8日、国会で)=川口正峰撮影

 だが、政府・与党内では、松野氏を巡り、「疑惑を 払拭ふっしょく できない以上、官房長官の任を果たせず、速やかに身を引くべきだ」(閣僚経験者)との声が強まっており、首相も続投は困難との判断に傾いたとみられる。

 官房長官が辞任するのは異例だ。第2次森内閣で中川秀直氏が女性問題などの疑惑が発覚し、00年10月に辞任した。第2次小泉内閣では、福田康夫氏が04年5月に国民年金保険料の未納問題で辞任を表明した。松野氏が辞任すれば、21年10月に発足した岸田内閣で、不祥事などでの閣僚辞任は5人目となる。

 松野氏は衆院千葉3区選出で当選8回。文部科学相や自民党総務会長代行を経て、岸田内閣の発足当初から官房長官を務めた。

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