ジュリアーニ元NY市長、破産申請-訴訟費用払えず保護求める
Rick Green-
ジュリアーニ氏の負債総額は最大約710億円-申請書類
-
大統領選陰謀論巡る裁判では1.48億ドルの賠償命じる評決
ジュリアーニ元ニューヨーク市長が破産法に基づく資産保全を申請した。トランプ前大統領の弁護士として2020年の大統領選結果を覆す企てを主導し、巨額の訴訟費用を抱え破産に至った。
ジュリアーニ氏が21日、ニューヨーク州南部地区(マンハッタン)の連邦破産裁判所で申請した債権者からの保護を求める文書には、負債が最大5億ドル(約710億円)、資産が最大1000万ドルと記載されている。

ジュリアーニ氏にとって最新の痛手になったのは15日のワシントンの連邦地裁の陪審評決。大統領選のジョージア州集票作業で職員2人がトランプ氏に不利になる不正に関与したという陰謀論を広めたとして、同氏は2人に1億4800万ドルの賠償金を支払うよう命じられた。
ジュリアーニ氏の破産専門弁護士ヒース・バーガー、ゲイリー・フィショフ両氏は、「今回の申し立ては誰も驚かないだろう。ジュリアーニ元市長がこのような高額な懲罰的金額を支払うことができると合理的に考えられる人は誰もいない」とコメントした。
連邦破産法第11条による保護は、債権者に透明性と公平性を提供する一方で、ジュリアーニ氏にジョージア州での訴訟の上訴を目指す時間を与えることになると弁護士らは述べた。
ジュリアーニ氏はまた、9月に法律事務所ダビドフ・ハッチャー・アンド・シトロンから弁護士費用136万ドルが未払いだとして提訴された。元市長の背中を不意にたたいたとして逮捕されたスタテン島の元食品店従業員からは、200万ドルの支払いを求められている。
トランプ氏は9月、ジュリアーニ氏の弁護士費用支払いを支援するため、ニュージャージー州ベドミンスターに所有するゴルフクラブで1人当たり10万ドルの資金集めパーティーを開催した。
ジュリアーニ氏は1980年代にニューヨーク州南部地区の連邦検事を務め、マフィアのボスを摘発し、ウォール街のインサイダー取引を取り締まるなどして名声を高め、ニューヨーク市長の座に上り詰めた。2001年9月11日に起きた米同時多発テロ事件後にはリーダーシップを発揮し、世界的な称賛を浴びた。08年大統領選に向け共和党候補指名争いに参戦したこともあった。
その後、トランプ大統領の弁護団に加わり20年大統領選の結果を覆そうと、疑わしい陰謀論を押し通した。弁護士費用は山積し、ニューヨーク州と首都ワシントン(コロンビア特別区)で弁護士資格が停止されたことで支払いに窮しており、その後、弁護士資格剝奪の手続きに直面している。
関連記事:
原題:Giuliani Files for Bankruptcy After $148 Million Defamation Loss(抜粋)