新生活への不安をどう解消する? 僧侶に「心を整えるヒント」を聞いてみた
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目次/ INDEX
「まあ、明日シャワー浴びればいいか……」
何度こう言ってお風呂に入らないまま寝てしまったことか。だってお風呂に入るのって面倒くさくないですか? 半身浴で1時間も浸かってる人はその間何してるの? 手持ち無沙汰過ぎる。
──そんなふうに言い訳して、湯船よりも先に布団へ潜り込んでいました。子供の頃から「カラスの行水」と親に言われるほどのお風呂嫌い。大人になってからはマナーとして毎日シャワーを浴びるようになりましたが、それでも湯船に浸かることはめったにありませんでした。
そんな私がなんと「大のお風呂好き」に変身したんです!
きっかけは、6年前にバスルームをちょっぴり改造したこと……。
(写真:とげなし)
自己紹介が遅れましたが、私は蒸気夫人こと五十嵐麻理です。スチームパンカー(編注:「蒸気機関が主な動力源のまま歴史が進んでいたら」という設定のSF作品を愛する人々。19世紀のイギリス・ヴィクトリア朝時代を彷彿とさせるファッションが特徴)として、スチームパンクをコンセプトにしたさまざまなガジェットを作っています。そんな私の得意なことは、ずばりDIY。手芸、洋裁、園芸、木工、電子工作、なんでもござれ。自宅である「蒸気邸」の内装をスチームパンクテイストに大改造するなど、15年以上にわたってモノづくりを続けてきました。
バスルームの改造は、そんな私の特技を「お風呂嫌いの克服」に使えないかというアイデアです。
なぜその二つが結びついたのか。実はある時、こんな私でも、旅先の温泉やリゾートのジャグジーなら「結構長くお湯に浸かっている」ことに気づき、そこから
温泉やリゾートではお風呂に入るのが「レジャー」になっているからかもしれない
↓
自宅のバスルームも「癒やしの場所」と捉えれば、お風呂嫌いも克服できるのでは……?
↓
そうだ、バスルームをリゾートっぽい空間にしよう!
……とアイデアが膨らんでいったのです。
というわけで、次の章からは具体的にバスルームをどのように改造したか、各エリアごとに説明していきましょう。
半身浴がお好きな方は、バスルームに本や携帯電話、飲み物など持ち込んでバスタイムを楽しんでいらっしゃることでしょう。でも正直、置き場所に悩みませんか? 海外では浴槽に乗せるバストレイがよく使われていますが、日本ではあまり一般的ではありません。
ステンレス製のバストレイなど市販品もありますが、浴槽の幅に合わず、見た目もスタイリッシュではないのでこれまで使っていませんでした。
私も、せめてタオルと飲み物ぐらいは置けるようにしたい……と思っていました。
最初は、浴槽のフタを置いてみました(我が家の浴槽の蓋は2枚組だったのです)。確かに広々とした置き場所は確保できましたが、フタで半分覆われた浴槽に浸かっていると、結構圧迫感もあるし、なんとも侘しい気持ちになります。
そこでフタの代わりに、透明なアクリル板を置いてみました。これなら透明度が高いので、圧迫感もなく清潔なイメージです。アクリル板は購入時、浴槽のサイズに合うようカットしてもらったので大きさもぴったり。
ちなみに、板の厚さは10mmと少々厚めです。薄いと、上にモノを乗せた時にたわむおそれがありますからご注意ください。
浴槽の上に置いてから6年が経過しても、歪みやたわみは見られません。お風呂掃除のついでに浴槽用洗剤で洗っているので、透明度もほとんど変わっていません。今もピッカピカです。
実際に物を置いている様子
モノを置けるスペースが広くなったら、今度は雰囲気を作りたい。バスルームの雰囲気を変える上で必要なのは、なんといってもたくさんの植物です。高校生の頃、生物部だった私は、昔から植物を育てるのが大好き。今も週末に土いじりを楽しんでいます。
観葉植物といえば、ベランダやリビングで育てている方も多いと思いますが、実はバスルームは、高温多湿な環境で育つ熱帯植物をとても育てやすい環境なんです。ただし、熱いお湯やシャンプー・コンディショナー、ボディソープ、洗剤が植物にかからないように置き場所に注意してくださいね。
熱帯原産の観葉植物の鉢植えをアクリル板の上に置いてみました。たくさん置いても板はびくともしません。うん、これはなかなかいいんじゃない?
ただし、バスルームで植物を育てるにはいくつか条件があります。まず、全く日光が入らなかったり、窓がなかったりする場合、育てることは難しいでしょう。耐陰性(編注:日光が当たりづらいところでも育つ性質)のある植物でも、全く日光に当たらないと徐々に弱って枯れてしまいます。
また、窓があっても小さい窓だったり、はめ殺しで外から風が入らなかったりすると、やはりうまく育てられません。風は日光や水と並んで植物の成長にとってとても大切な要素です。もしバスルームの条件が合わない場合は、週に何度か日や風に当てる必要があります。
ただ、もし、皆さんの自宅のバスルームに外から日光や風が入るようなら、ぜひ植物を置いてみてください。
アクリル板の上に植物を置いてしばらくは満足していましたが、水やりの時にいちいち床に鉢を移動させるのが面倒くさくなってきました。ダメだ。これではまたお風呂嫌いになってしまいそう……。
そこで、アクリル板の上に鉢を乗せたまま水やりができるよう、全ての鉢をハイドロカルチャー(編注:土を使わず、水耕栽培用の素材を鉢に敷き込み、植物を栽培する方法)に変えてみました。
ハイドロカルチャーの観葉植物は、実は自分で簡単に作ることができます。土に植えられた普通の観葉植物をハイドロボール(ハイドロコーン)という保水性のある多孔質の人工土(焼土)に植え替えるだけ。
以下、その作り方を順を追ってご紹介しましょう。
【1】観葉植物を鉢から抜いて、土を落としたら根をよく洗います。バケツや洗面器に水を張って根をゆするようにして洗うと、土を落としやすいです。伸びすぎた根や傷んだ根がある場合は、ハサミでカットしましょう。
【2】水やりの頻度が分かりやすい透明なガラス鉢を用意します。ハイドロカルチャーは鉢の中に水がたまって根腐れしやすいので、雑菌などを吸着してくれるミリオンA(珪酸塩白土)を適量底に入れます。
【3】ハイドロボールについた焼土の粉を水洗いします。
【4】土を落とした観葉植物をガラス鉢に立て、水洗いしたハイドロボールを敷き詰めます。
【5】鉢の下から4分の1たまるぐらいまで、水を注ぎます。根腐れを防ぐため、水が完全になくなって1日、2日たってから、また同じように水を入れましょう。
【6】時々枯れた葉があったら切り取って、水がなくなった鉢にシャワーでバシャバシャと水をかけるだけです。なお、植物がダメージを受ける可能性もあるので、お湯をかけるのはやめましょう。
【7】時々ハイドロカルチャー用の肥料を適量与えるとよく育ちますが、絶対に必要なものではありません。
【8】ハイドロカルチャーに限らず土の鉢植えでも同じですが、観葉植物は1〜2年毎に植え替えが必要です。根が鉢や器の中にギュウギュウに詰まってしまったら植え替え時です。
植物だけでは出せない「幻想的な雰囲気」を出すにはどうすれば……と考えてたどり着いたのが、浴槽に沈めて使う完全防水LEDライト。
浴槽に沈めると、水面がLEDライトに照らされてゆらゆらと揺れ、とても幻想的。アクリル板の下に沈めたら、植物たちが下からライトアップされます。LEDライト以外にも、間接照明として防水ライトを設置すれば、リゾートのジャグジーのような空間になりますよ。
さらに雰囲気を変えるため、バスルームの窓にキラキラと光るウィンドウシート(窓用フィルム)を貼ってみました。
接着剤ではなく水で接着するタイプは賃貸物件でも使えますし、貼り直しもできます。UVカットの商品であれば紫外線もカットしてくれるし、目隠しにもなるし、バスルームの雰囲気も変わる、という一石三鳥のすぐれものです。
貼り付け方は簡単。窓そうじをした後、霧吹きでたっぷりと水をスプレーします。水がたれてくるくらい吹きかけましょう。そこに、窓の大きさにカットしたウィンドウシートを貼り付けて、スクイーパーなどで、窓とシートの間の水分をシートの外側に追い出すようにこすります。以上!
お値段もお手頃だから、毎年模様替えしてもいいぐらいですね。
バスルームだけでなく、どうせなら洗面所から雰囲気を高めていきたいですよね。壁や窓の模様替えという意味で活用しているのが、壁専用のシール「ウォールステッカー(インテリアシール)」です。値段も手頃で、跡を残さずきれいにはがせるので、賃貸物件でも安心して使えますね。
以前はさわやかな黄緑色をした植物のステッカーを貼っていましたが、ジャングルっぽくしてみようと熱帯植物をモチーフにしたウォールステッカーで模様替えしました。
真っ白な壁にグリーンが良く映えます。これでバスルームに入る前から気分が高まりますよ。
ここまでくると「バスタイムをもっと楽しくするには?」という探究心が出てきて、入浴剤にもこだわってみました。最初にトライしたのが、ドイツ製の入浴剤・Kneipp(クナイプ)です。
クナイプは植物由来のオイルやエキスを元に作られた、防腐剤やパラフィン、シリコン、鉱物油不使用の自然派商品。動物実験を行っていないところも好感が持てます。
ただ、ネックはお値段です。850gで数千円はちょっとお高い。そこで日本が誇る入浴剤で、お手頃価格のバスクリンシリーズを試してみました。
ホームセンターに行くたびに買っていったらバスクリンが15種類にもなってしまいました。色もグラデーションにして並べてみたりして、眺めるのが楽しかったのですが、ちょっとやり過ぎました。誰か私を止めて!
そんな紆余曲折がありましたが、現在は一周回ってシンプルな粗塩に落ち着きました。でも時々新しい入浴剤を試したりしていますよ。
「手持ち無沙汰感」をなんとかするために、最初のうちはお風呂で読書をしていました。でも、バスルームが癒やし空間に変わっていくにつれ、「瞑想をするのにもいいのでは」と気づきました。
Amazon Prime Musicで自然の環境音やヒーリング音楽のプレイリストを作って流すと、マインドフルネス瞑想にぴったり。瞑想の習慣は以前からあったのですが、お風呂だとリラックス効果もあって、さらに深い瞑想状態になれました。虫の声や波の音を聞きながら目をつむると、そこはもうリゾートホテルのジャグジー!
最近はスマホの瞑想アプリ(Relook)も活用しています。体だけでなく心も健康になってしまうバスルームになりました。
バスルームの改造をしてから6年。
今やお風呂に入るのが楽しみになり、すっかり長風呂になりました。
ちなみに、何か作るとその効果をすぐに試したくなる私の性格上、お風呂好きになるまで時間はかかりませんでした。
ライトを置いたら湯船からどう見えるのかを知りたくなりますし、アクリル板を置いたら使い心地をテストしたくなります。うまくいったら満足し、うまくいかなかったら別のアイデアをテストする──そんな試行錯誤を繰り返しているうちに、お風呂に入るのがどんどん楽しくなってきました。
脱水症状を起こさないよう、お湯に浸かるのは30分にしていますが、今や「もっと長く入っていたい」と思うほどです。
最後に、このバスルーム改造の成功にはホームセンターの存在が欠かせませんでした。
週末に店舗へ足を運んで、園芸コーナーを見ては「これをハイドロカルチャーにしようかな?」と思ったり、新しい入浴剤を買ってみたり、素敵なバスグッズを眺めたり、新しい工作の材料を発見したり、行くだけでいろんなアイデアが浮かんでくるんですよね。
お風呂嫌いのあなた! まずはホームセンターに遊びに行ってみませんか? 自分の中の価値観が変わるきっかけになるかもしれませんよ。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※効果は使用環境や使用状況により異なります。