自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、企業・団体献金の規制が改めて問われている。政党には、企業や業界との癒着を防ぐために導入された「政党助成金」が支給されている上、政治家が代表を務める政党支部が「抜け穴」となって禁止されたはずの企業・団体献金も流れる。言わば「二重取り」状態が続いてきたところへ今回発覚した裏金事件。政治家のブラックボックスには、いったいいくらのカネが吸い込まれているのか。(浜崎陽介)
◆議員が代表者を務める「政党支部」が一気に増えた理由
1980年代後半から90年代にかけてリクルート事件、共和汚職、佐川急便事件、ゼネコン汚職などが相次ぎ、企業から政治家への資金提供が問題視された。
政治改革の目玉の一つとして、非自民の細川連立政権は94年、政党助成法を成立させた。金権腐敗政治と決別するため、政治資金規正法で政治家への企業献金を禁止する代わりに、国民の税金で政党へ活動資金を助成するものだった。
このとき、5年後に政党への企業献金のあり方についても見直すという付則が付き、99年の政治資金規正法改正で、政治家個人の資金管理団体への企業献金は禁止になった。しかし、政党や政党支部には引き続き献金ができたため、議員が代表者を務める政党支部が一気に増えた。政治家サイドへの企業献金を事実上可能にしたうえ、政党助成金との二重取りとなる「焼け太り」だ。
◆自民に流れる助成金は159億円(2023年)
政党助成金は毎年、国民1人あたり250円を基準として2023年は総額約315億円が計上され、うち自民党には159億円が配分されている。共産党は制度に反対して受け取っていない。
企業・...
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