当時の技術だとやっぱりできなかったのかな?
『デューン 砂の惑星 PART2』の公開が3月に迫っていますが、40年前の1984年にもデヴィット・リンチが監督したバージョンの『デューン/砂の惑星』が公開されています。映像化が実現していなかった続編の脚本は長らく行方不明になっていましたが、この度そのパート2の脚本が見つかったとのこと!
一体どこに眠っていた?
Wiredによると、昨年カリフォルニア州立大学フラトン校のアーカイブで未完成の脚本『デューン・メサイア』が発見されたそうです。デヴィット・リンチの続編脚本は、1965年に出版されたフランク・ハーバートの原作とはちょっと違っていて、ハルコンネン家のアラキーン攻撃の直後、リチャード・ジョーダン演じるダンカン・アイダホが戦死した出来事から物語は始まっているようです。
どんな内容だった?
リンチの『メサイア』では、1984年作でレオナルド・チミノが演じた謎の医者が、ハーバートの原作に登場する重要な人物であることが明らかに。彼は、誰にでも化けられるフェイスダンサーのサイテールを作り出したベネ・トライラックスだったことが判明するのです。
サイテールはアラキーンへの攻撃の混乱の中でダンカン・アイダホの体を奪い、アイダホを禁断の技術で「ゴーラ」として蘇らせる様子が綴られています。映画の冒頭を飾る予定だったのはデヴィット・リンチらしい映像で描かれるベネ・トライラックスの故郷への幻想的な旅だったようです。こちらがその様子の詳細です。
サイテールの仲間たちは、サイテールが持つ18の頭がたるんだホースのような生肉で繋がれた状態で18個の口が一緒に歌うのを見ながら、大笑いし、手の中でマーブルを荒々しく転がしています。
その頭はピンクの部屋中で歌っているのですが、一人の男が口を開けると、小さな人の群れが歌に合わせて湧き出てきます。別の男が宙に浮いている犬を放って空中で爆発させると、みんなが小さくなり美しいカーペットの繊維の中に消えていきます。
小さくなった彼らは皆、とても高い音の笑い声で笑い続けています。ひとつの頭になったサイテールは壁を這い上がり、狂ったように笑っています。
Wiredはほかにもこの幻の脚本についていろんな情報を伝えているのですが、デヴィット・リンチがポールとアラキスの支配による政治的策謀の舞台をどのように設定するか、そしてリンチが続編でポールの権力への昇格をどのように描くか、といった詳細まで説明されています。デヴィッド・リンチ本人は、脚本の発見についてはコメントをしておらず、1984年版の『デューン』については「失敗であり、今は考えたり話したくない」と述べています。
世に出ることのなかったデヴィット・リンチのパート2の代わりに、『デューン 砂の惑星 PART2』がどんなパート2の世界を見せてくれるのか楽しみですね。