「MARS」原作者 過去日テレでドラマ化も「原作とは別物」 芦原さん急逝に「漫画家一人の命よりも…」

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「MARS」「チェーザレ 破壊の創造者」などで知られる漫画家の惣領冬実氏(65)が9日までに自身のブログを更新。昨年10月期放送の日本テレビドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題で、原作漫画の出版元・小学館や日本テレビについて私見を記した。
「現在問題になっている原作のドラマ化についてのお話ですがあまりにも重い結果を招いてしまったことを本当に残念に思っています。SNS等で事の経緯を知ったような有様ですが、何故ここまで追い込まれなければならなかったのか、芦原さんの置かれた立場を想うと本当に胸が痛みます」とし、「当事者でない私がこの件に言及するのもどうなのかと思い悩んだのですが、私も過去に原作を実写化した経緯があることから、その時に感じたことを私なりに言葉にしてみようと思います」とブログに投稿した意図を前置きとして記した。
バイクレーサーを描いた「MARS」は、講談社「別冊フレンド」で96年から00年まで連載。2016年に日本テレビでドラマ化された。「セクシー田中さん」に携わった脚本家、スタッフとは別の陣容だったといい、「この時の実写化については正直あまり乗り気ではありませんでした。それは多くの原作者が言っているように原作の大幅な改変が常習となっていたからです」と振り返った。
過密スケジュールの最中で熟考する余裕もなく、断ろうとしていたが「別フレ編集部的にはどうなのかと相談したところ、編集部はメディア化はやはり有難いことだという見解でしたので、迷った結果別フレ編集部に一任する形で了承することとなりました。その理由はすでに終わっている過去作でもタイトルがメディアに取り上げられれば多少なりとも単行本の売り上げに影響するため、私だけでなく出版社の利益にも繋がる可能性があったからです」と経緯を記した。
一方、当時「MARS」は先に台湾でドラマ化されていた。「監督が原作のファンで原作に忠実に創りたいと仰っていると聞き、もちろんこれは社交辞令にすぎないと半信半疑で承諾したのですが、蓋を開けてみれば本当に原作に忠実に創られていて逆に驚かされました」と台湾版制作の道のりを踏まえ、「同じ作品が日本で作られた場合どうなるのか確かめてみたかったのですが、結果は想像通り原作とは別物と言うほかない仕上りとなっていました。想定内とは言え台本に修正を入れるたび、何故私の作品を実写化しようとしたのか謎に思うこともありましたが、それでも制作サイドの誠意は伝わってきましたし、演者の皆さんは本当に頑張っておられたと思います」とつづった。
「これは仕方のないことで台湾版とは予算も時間も掛け方が違うため、キャラクターや背景描写の解像度が極端に低くなり、それを補うために演者の俳優やタレントの人気に頼るしかない作りになっている…と言うか、その逆で演者のために用意されたドラマという表現の方が本当は正しいのかもしれません」とし、「台湾の制作サイドが原作のリスペクトから始まっているのに対して、日本テレビサイドはまず芸能事務所の俳優、タレントの存在ありきで、それに適した原作を素材として引用しているだけのように私には感じられました。これは時間や予算だけではなく、日本のメディアミックスによるものが大きいのではないかと思います。人気のある演者と人気のある原作を組み合わせれば双方のファンとネームバリューで一定の数字は取れるはず、そこにエンタメ要素を増量すれば多少の改変があってもさらに数字は伸びるはず、それで視聴率も取れて原作本も売れればお互いWINWINで結果オーライ的な発想が根底にあるからではないかと思われます」と指摘した。
今回の一件について「原作者である芦原さんが原作に忠実であることを望んでいたことであり、その拘りをテレビ局が承諾したことに大きな問題があると思います」と言及。「原作者の芦原さんがどれだけ切実であったかということを、日本テレビ、小学館、脚本家の誰もが理解していなかった、もしくは理解する気がなかったということでしょうか」と芦原さんの心情を察した。
出版社は作品がメディア化されることが本の売上につながる可能性があり、「テレビ局と出版社の間で手打ちがあったとするなら、下請け的立場である、原作に忠実なものを望む原作者とエンタメ要素をいれて数字を取らなければならない脚本家は、否が応でも対立の構図となってしまいます。こうなると原作者も脚本家も、実はどちらも被害者だったのではないかと思えてくるのです」と記した。
「もちろん一番の被害者は組織の外に置かれ孤立させられた芦原さんに他ならないでしょう。原作者の拘りを許諾した段階でテレビ局は責任を負うべき立場にあると思いますが、もともと原作者が加筆修正すると言っていたのだから、脚本家にテコ入れさせた物を原作者の気が済むまで手直しさせてやった我々に落ち度はない、と言う理論なのでしょうか。また窓口となった小学館も本来なら事の経緯をはっきりと表明すべきだと思いますが、今後何も説明しないと発表したそうで、やはり公表できないような不適切なことがあったからなのでしょうか。漫画家一人の命よりもこれからのテレビ局との関係の方が大事ということなのでしょうか」と小学館の姿勢に苦言を呈した。
「出版社も会社であり編集も一会社員なので限界はあるとは思いますが、作品を作っていく上で作家との信頼関係はやはり非常に重要な要素だと思われますので、出来る限りのケアをしてあげられていたならと本当に悔やまれます。謹んで芦原妃名子さんのご冥福をお祈りいたします」と偲んだ。
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