怖いもの見たさでちょっと見たい。
OpenAIの超リアルな動画生成AIのSoraが、今年中に「必ず」リリースされるそうです。先日行われたウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、同社の最高技術責任者のムラティ氏が明言しました。さらにムラティ氏によると、AIが生成する動画には、ヌード動画が含まれる可能性がある様子。OpenAIでは「クリエイターたち」と協力して次のステップを決めているそうです。
ヌード動画について質問されたムラティ氏は、「よくわかりません」と回答。アーティストは皆、できるだけ思い通りに作品を作りたいわけで、可能な限り自由にクリエイティブ系の設定をコントロールしたいはず。なので、同社ではさまざまな分野のアーティストやクリエイターと協力し、どんなツールが役立つのか、またどの程度の柔軟性があったらいいのか、といったことを検討しています。
AI生成画像や動画にはリスクもある
画像生成AIの草創期には、その技術のリスクが浮き彫りになりました。特に、それがディープフェイクのポルノ画像に使われた場合は非常に危険です。最近ではAIが生成したテイラー・スウィフトの偽画像が流出し、大問題になりました。また、3月に入ってからは、フロリダの中学生がAIを用いたディープフェイクでクラスメートの偽ヌード画像を生成した疑いで逮捕されています。
ポルノ業界の負担を減らす可能性を秘めている
とはいえ、SoraのようにリアルなAI生成ヌード動画は、ポルノ業界に革命をもたらす可能性を秘めているのも事実。生成AIによるヌード画像であれだけの混乱が生まれたにもかかわらず、OpenAIがそれを完全に否定しないのには理由があるのです。ポルノは970億ドル(約14兆4250億円)規模の一大産業であり、AIが動画生成できるようになれば、ポルノ業界の闇(性的搾取や虐待など)に1つの解決策をもたらすかもしれません。「異分野のクリエイター」にAV女優が含まれるかどうかはわかりませんが、彼女たちがヌード動画に最も精通したクリエイターであることは間違いないでしょう。
今年中には我々が使えるようになるかも?
ムラティ氏によれば、OpenAIのSoraチームは動画編集に取り組んでおり、これは映画制作者がSoraを本格的なツールと使ううえで大きなゲームチェンジャーとなるかもしれません。現段階でSoraには音声はありませんが、それもバージョン1の話。その後はOpenAIがまた進化をすすめていくのでしょう。
SoraはOpenAIと提携したShutterstockの画像や、「公開されているデータやその他のライセンスを得たデータ」でトレーニングされているそうで、明言はしないものの、InstagramやFacebookの動画が使用された可能性もあるといいます。
2月、Soraが滑らかにつなぎ合わせた超リアルな動画が公開され、世界は衝撃を受けました。Soraの初期のデモは、ケナガマンモスや街並み、漫画のような世界を詳細に描いた動画など、非常にインパクトがありました。AI技術が日進月歩で進化していることを知らしめたSora、あとちょっとで私たちのもとにやってくるかもしれません。