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秋田県由利本荘市は5日、記者会見を開き、市郊外の大台飲料水供給施設の水道水から、水道法に基づく水質の基準値(1リットルあたり0・02ミリ・グラム)を上回る有害物質「六価クロム化合物」が2020年度から検出されていたと発表した。供給先の6世帯17人に健康被害は確認されていないという。市は除去装置を付ける方向で検討している。
市によると、六価クロムは18年度から微量に検出されていたが、当時の基準値(同0・05ミリ・グラム)は下回っていた。しかし、現行基準に改正された20年度からの4年間は、基準値を0・003~0・009ミリ・グラム上回っていたにもかかわらず、見過ごされたという。
施設を管理する市建設管理課は20年度から、毎年8月の水質検査を市企業局水道課に委託し、報告を受けていた。1回目は基準値を超えていたが、再検査で下回ったとの報告が4年続いたため、建設管理課が不審に感じて今年2月、水道課に問い合わせた。その結果、これまで検査を水道課職員が1人で実施し、再検査では水を2割加えて薄めていたことがわかったという。
市は問題の発覚後も供給を止めるなどの対応はせず、水源の再調査を実施。その結果も基準値を0・004ミリ・グラム上回った。
これを受けて、今月2日から施設タンクに給水車で水道水を入れて安全な水に切り替え、4日夜になって地元説明会を開催した。住民からは「安全に水を供給してほしい」などの要望があったという。
市の三森隆副市長は「水道課の担当者は、少し水を足せば基準値以下になる実験としてやったと言っており、
六価クロムは発がん性などがある有害物質。メッキ、触媒などに使われ、自然界ではほとんどみられない。