消費者庁は2024年2月末から3月中旬のわずか2週間あまりの間に、12社の「No.1広告」について、景品表示法違反(優良誤認)に基づく措置命令を出した。消費者庁がNo.1広告に本腰を入れて摘発に乗り出している。消費者庁は現在、No.1広告の実態調査に取り組み中。今秋にも調査結果を公表する。

購入・利用したこともない調査モニターにWebサイトのイメージを尋ねて「満足度No.1」をうたう、ずさんな調査・広告手法に消費者庁が動いた
購入・利用したこともない調査モニターにWebサイトのイメージを尋ねて「満足度No.1」をうたう、ずさんな調査・広告手法に消費者庁が動いた(画像:barks/stock.adobe.com)

 「おすすめしたいダイエットサプリ No.1」「施術満足度No.1 痩身エステ」「カリキュラム充実度No.1」「おかげさまで5冠達成」――。

 こうした表現で自社商品・サービスの人気や満足度でNo.1を連呼する、いわゆる「No.1広告」の摘発に、消費者庁が本気で取り組み始めた。

 2024年3月1日、消費者庁は、海外Wi-Fiレンタルサービス「イモトのWiFi」を提供するエクスコムグローバル(東京・渋谷)と、注文住宅大手の飯田グループホールディングス、およびグループ会社4社が掲示したNo.1広告に対し、景表法違反(優良誤認)に当たるとして、再発防止などを求める措置命令を出したと発表した。

 消費者庁はその直前、2月27日、29日にも太陽光発電の蓄電池などを販売する事業者3社のNo.1広告に対して景表法違反(優良誤認)の措置命令を出したばかり。その後も3月5日、7日、15日と、3社立て続けにNo.1広告を摘発対象とする措置命令に踏み切った。

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 24年2月26日時点では、23年度中のNo.1広告の摘発は23年6月のペット用アイケアサプリ販売事業者と、同年12月のダイエットサプリ販売事業者の2社だけだった。ちなみに前年の22年度も、22年6月の痩身施術事業者、23年1月のオンライン家庭教師事業者の2社だった。

 それが24年2月27日から3月15日のわずか2週間あまりの間に7件12社に措置命令が出された。まさに年度末のNo.1広告摘発ラッシュである。最終的に23年度のNo.1広告摘発事例は、9件14社となった。

2023年度、「No.1広告/表示」で9件14社に景表法違反の措置命令が下った
2023年度、「No.1広告/表示」で9件14社に景表法違反の措置命令が下った
※消費者庁は、新日本エネックスと安心頼ホームへの措置命令をまとめて1件とカウント

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