エジプトの首都カイロに『SHOGUN SUSHI(将軍寿司)』なるSUSHI屋があるとの情報をキャッチ。さっそくタクシーを飛ばして来たところ、かのインターコンチネンタルホテルの中にあることが判明した。マジか……ビーサンで来ちゃったけど大丈夫そう?

でも来ちゃったものは仕方がないので、なるべく金持ちっぽい表情をキメて敷地内に足を踏み入れた。すると特に止められることもなく、ロビーへもぐり込むことに成功したぞ! あとは入店できるか、それが問題だ!

・ちなみに……

ちなみにカイロのインターコンチネンタルホテル(CITY STARS)は巨大ショッピングモール『シティスターズモール』と隣接している。

そのスケールと豪華絢爛ぶりは圧巻の一言!

モール内には、なんとスキー場まである。よもやエジプトでスキーができるとは想像したこともなかった。やりたいかどうかは別として。

目ん玉が飛び出そうな高級ブランド店がひしめく中、どこかイオンを思わせるゾーンもあってホッとする。カイロへ来たら見学だけでもしておくべきスポットといえる。



・とにかく不穏である

んで、話をSUSHIに戻す。

インターコンチネンタルのロビーはなぜか不気味な静寂に包まれており、なんだか別の意味で不安になってきた。

ロビーの端っこを曲がると、SHOGUNへ続く長い通路が出現。この距離が絶妙に恐怖を煽る。

相撲の懸賞旗みたいなやつをくぐると……

今度は橋が出現した。ひょっとしてコレ、もしかすると大名行列的なイメージ? たしかに将軍って長い道が好きそうな印象はあるよね。

誰もいないけど、本当に営業中なのか?

たぶん客が多いときは、あのカウンターの中央で職人がSUSHIを握るんだと思う。

鉄板焼きメニューもあるようで、おそらくあのカウンターの中央で職人がWAGYUを焼くんだと思う……客がいる時は。

店内中央に鎮座する水槽は赤→青→緑と徐々に照明が変化する仕組み。ニシキゴイっぽい魚が優雅に泳ぐさまは不気味この上ない。

が……あくまでもイメージではあるけど、日本史好きとして率直に感想を述べると「リッチな時代の将軍って、これくらい趣味が悪い贅沢をしていたのでは?」って気がしなくないんだよな。そこまで計算して作られた店なのだとすれば、ある意味「メッチャ将軍」といえるだろう。



・これが将軍の味

日本がリッチだった頃の将軍に思いを馳せても仕方がないので着席すると、店員さんがおごそかにメニューを持ってきてくれた。この建物に入って初めて人を見た。

寿司は2貫で100EGP(約326円)前後。エビ天195EGP(約636円)、海鮮丼320EGP(約1043円)など、日本のスシローと比べれば高いが、ここが外国であること、さらには『将軍』であることを考えると非常にリーズナブルである。破格といっても過言ではない。

最初に運ばれてきたのは『ほうれん草のごま和え』65EGP(約212円)。不思議な味。マズくはないのだが、味噌の味がする。日本人がイメージする「ごま和え」とは別モノと思ったほうがいい。

続いて『ミソスープ』55EGP(約179円)。海外で飲むミソスープは甘いパターンが多いが、これは塩分100%! 合格!

そしてお待ちかねの寿司15貫盛り合わせ。その名も『Yamato』セット(300EGP / 約978円)である。盛り付けのセンスが若干微妙な気もするが……

角度を変えればこのとおり。どこから見ても将軍の食いもの。

カニカマにとびっ子をまぶしたカリフォルニアロールは想像どおりの味。米の硬さ・酢の加減はいいセンいってる。

クリームチーズを挟んで生ハムで巻いたこちらは、メニュー表によると「フィラデルフィアロール」と呼ぶらしい。私はクリームチーズがあまり得意ではないため、味についてはノーコメントで。

おそらくスズキと思われる白身魚の握り。何も言えないくらい普通。なお外国で食べる寿司に対する「普通」は、かなり上位寄りの褒め言葉だ。

そして、やはりエビ握りは鉄板。世界中どこで食べてもウマい。きっと昔の将軍も「美味なり」って言うハズ。



言い忘れていたが店内では、ずっと「ヒョロロ〜…………という狐の嫁入りのような、ホラーゲームのような、なんとも奇妙でちょっと怖い民族系音楽」が流れていた。

寿司屋のBGMとしては常軌を逸していたが、ムードと相まって次第に居心地がよく感じられてきたから不思議なものだ。これがエジプシャン・パワーなのか? ってことでカイロへ来たら『SHOGUN』へ! ちょっとした非日常を体験できるのは間違いない。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼不気味なネオンに照らされ泳ぐニシキゴイ(推定)たち

▼個室も完備。接待に最適