phaの日記

なんとかなりますように

中年以降の人生を考えるための5冊

今までずっと、ひたすらラクなことや楽しいことだけをやって生きていきたいと思っていたのだけど、40歳を過ぎた頃から、今までのやり方ではいろいろと行き詰まってくるようになってきました。何をやってもそんなに楽しくない。これからの人生はずっと下り坂が続いていくのだろうか。人生、長過ぎるな……。

そんな感じの中年で思ったあれこれについて書いた新刊が6月5日に出ます。僕の今までの人生を総括するような本になったと思います。


目次


本の発売にともなって、「中年以降の人生を考えるための選書フェア」として、僕が好きな本を5冊を選んでみました。初めての中年や老年を、先人たちの知恵を参照しながらなんとか生き抜いていきたいと思っています。

この選書は、僕がスタッフをやっている東京・高円寺の蟹ブックスという書店で展示する予定です。この内容(選書・コメント)はオープンソースなので、よかったら他の書店の方も使ってください。好きな本を付け加えてもらっても構いません。展示用のポップやペーパーのデータは今月末までに用意します。


↓展示用パネルです。自由に使ってください
https://drive.google.com/file/d/18M6s1CQCGZ-YA-kae2NU2n8EjEJgjSEu/view?usp=drive_link

『パーティーが終わって、中年が始まる』で中年の衰えについて書いたphaが選ぶ、中年以降の人生を考えるための5冊です。加齢の友にどうぞ……!

荻原魚雷『中年の本棚』(紀伊國屋書店)

中年の本棚

中年の本棚

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40代の一冊

中年の入り口に立った著者が、中年はどう生きていくべきかを学ぶために、世の中にたくさんある「中年本」を紹介していく書評集。自分自身の話をしつつも自分を出し過ぎず、本に寄り添う紹介が上手い(僕はもっと自分の話をしてしまう)。四十は「不惑」じゃなくて「初惑」らしい……。

松本大洋『東京ヒゴロ』全3巻(小学館)

東京ヒゴロ - 松本大洋 | ビッコミ(ビッグコミックス)
50代の一冊

50代くらいの漫画編集者と漫画家たちの話。かつて輝いていたこともあるけれど、それはもう遠い過去のことで、若さはもう全くない。でも、まだ何かやってみたい、という気持ちはある。そんな男たちが集まってもう一度何かをやろうとする。年をとってもこんな感じの仲間がいれば大丈夫なんじゃないだろうか。



小田嶋隆『諦念後 男の老後の大問題』(亜紀書房)

60代の一冊

定年後、つまり60歳以降の過ごし方について書いたコラム集。小田嶋さんの本は時事コラムが多かったけど、この本は自分がそば打ちとか盆栽とか終活とかをやってみた体験談がメインなのがいい。文章は相変わらず読ませる。「麻雀はネトウヨとでも打てる」という話が好き。

齋藤なずな『ぼっち死の館』(小学館)

【新シリーズ】齋藤なずな『ぼっち死の館』、第1話の無料試し読み! | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館

70代の一冊

団地に住む独居老人を描いた短編集。作者も一人で団地に住む70代らしい。タイトル通り孤独死したりもするのだけど、そんなに暗い話ではなく、かといって単純にいい話でもなく、どちらともいえない複雑なのが人生だよな……という気持ちになる作品。
一般的に、年をとると若い頃の切れ味はなくなるものだ。しかし、この作品みたいな、なんとも言いがたいけどなんかいいよな、というものを書けるのは、年をとってからしかできない気がする。そういうものを自分も目指せばいいのだろうか。


山田風太郎『人間臨終図巻(上)』(KADOKAWA)

年をとるたびに読み返す一冊

古今東西の有名人の死に様を享年順に並べた本。誕生日が来るたびにその年齡の部分を読むのが習慣になっています。ちなみに自分の今の年齡、45歳で死んだ人は、井伊直弼、ラスプーチン、三島由紀夫など。大物揃いだな……。



サイン本は蟹ブックスで販売します。他より一週間くらい先行発売するので早く読みたい人はどうぞ。
kanibooks.stores.jp

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