チャットbotだけでなく、画像や音楽、動画生成にタスクサポートと、ありとあらゆるプラットフォームにAIが進出しています。その勢いは増すばかりですが、なんと政治の世界に立候補者としてやってきました。
イギリスでAI国会議員が誕生するかもしれません。
AIスティーブ
イギリスの国会議員選挙にて、AIが無所属で立候補しています。その名もAIスティーブ。有権者は、実際にAIスティーブに投票が可能。
AIスティーブは、実在する事業化スティーブ・エンダコット氏のデジタルアバター。しかし、立候補しているのはスティーブ・エンダコット氏ではなく、AIスティーブ氏です。有権者には、公式サイトでAIスティーブとチャット(AI生成チャット)することができます。
AI議員の最大の弱点もカバー
リアルな人間が裏にいるからといって、AIに政治ができるのでしょうか? そこは正直なってみないとわかりません。が、すでに明らかになっているAIスティーブ最大の弱点があります。
それは集会や議会に物理的に出席できないこと。だって、実態がありませんから。
そこで、AIスティーブの代理として物理的場所に物理的に参加するのは、モデルとなっているエンダコット氏です。たとえば、議会での議決含め物理的に参加が必要な場面にはAIの指示によってエンダコット氏が出席します。
公式サイトでは、そもそもAIスティーブの政治的意見、政策のアイデアの基盤となっているのはエンダコット氏なので、2人合わせてワンチームとして取り組んでいく姿勢になるのかと。
AIを利用する理由
AIスティーブの裏には実在するスティーブ・エンダコット氏がいて、物理的な会合にはエンダコット氏が代理として出席する…。なら、エンダコット氏が出馬すればよくない?って思ってしまいますよね。
しかし、エンダコット氏には独自の狙いがあるのでしょう。まず、AIスティーブを開発しているのが、エンダコット氏が役員として名を連ねるNeural Voiceだと報道されています。さらに、AIスティーブによって、有権者・支持者・将来的な構成員のデータを収集、解析する狙いがあるとも言われています。
政治業界でもすでにAIは活用されています。原稿や記事のキャッチーなタイトルやバズりワードをいれたコピーを考えたり、チャットで利用したりはすでにあるある。
しかし、今回のエンダコット氏は、自身のデジタル分身であるAIスティーブに立候補そのものをさせた、有権者がAIに投票できるところまで推し進めたことで、政治界のAI活用事例を大きく前進させました。
ただ、実際にAIスティーブが当選し、議員となった場合のアルゴリズムや運用方針などは不明な点があり、どれだけ運用していけるのかは謎が残ります。