JR九州高速船の「クイーンビートル」浸水隠蔽、前社長が指示…裏管理簿に日々の浸水量記録
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JR九州高速船(福岡市)が、博多と韓国・

松下氏らの説明によると、2月12日にクイーンビートルの船首部分で2~3リットルの浸水が確認された。浸水発生は現場から田中氏に報告されたが、田中氏の指示で国土交通省に報告しないことを決定。法令で義務づけられた検査や修理も行わなかった。
さらに、浸水を隠蔽する工作の具体例も明らかにされた。設備の不具合などを記載する航海日誌や整備記録には「異常なし」と虚偽記載をした上で、外部には出さない「裏管理簿」を作成し実際の浸水量を日々記録していた。

同船は浸水を隠蔽したまま運航を継続。1日の浸水量は2~20リットル程度で、港に停泊中にポンプで排水していた。しかし、5月27日に突如、浸水量が736リットルに急増。隠蔽を続けるため、船首部分の船底に設置されていた浸水警報センサーを高さ44センチから1メートルまで上部にずらして発動しないようにした。航行中もポンプで排水しながら運航を継続した。これらの隠蔽工作はすべて田中氏も把握した上で実行されていた。
その後、浸水はさらに悪化し、30日には1メートルの高さまでずらした警報センサーが発動。JR九州高速船は、この時点で初めて浸水が確認されたように偽装して国交省に報告、船はドック入りした。船首部分からは1・1メートルの亀裂が見つかった。
船は修理を終えて7月11日に運航を再開。今月6日に国交省の抜き打ち監査があり、乗務員への聞き取りで隠蔽が発覚した。