国民民主・玉木雄一郎代表、夫婦別姓の立民案に慎重「政局的にすべきではない」

インタビューに応じる国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)=17日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
インタビューに応じる国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)=17日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は17日、産経新聞のインタビューに応じ、24日召集の通常国会で焦点となる選択的夫婦別姓制度の導入を巡り、慎重な姿勢を示した。「多くの国民にかかわることであり、イデオロギーや政局的なものにせず、できるだけ幅広い合意を得る丁寧な論議が必要だ」と述べた。

同党は昨年の衆院選公約などで導入に賛成の立場をとってきた。玉木氏は「(姓を)選択できる制度はきちんと整備すべきだ」とした上で「子供の姓をどうするのかについては慎重な議論が必要だ」と語った。

立憲民主党が制度実現のため、通常国会への提出を検討している民法改正案への対応についても「内容による。今の時点で賛成かどうかは明言できない」との認識を示した。

通称使用拡大のための法整備については「(拡大で)カバーしきれないところがどこまで残っているのかを明らかにすることも大事だ。立法事実にもなる。しっかりと調べて冷静に議論を深めるべきだ」と話した。

玉木氏のインタビューの主なやり取りは以下の通り。

--選択的夫婦別姓制度導入への賛否は

「自分が生まれたときの姓を引き続き使いたいという人が、選択できるような制度はきちんと整備すべきだ。ただ、子供の姓をどうするのかについては慎重な議論が必要だ」

--令和4年に国民民主は立憲民主党などと共同で選択的夫婦別姓を可能とする民法改正案を共同提出している

「基本的な考えは当時から変わっていないが、先の衆院選の結果、党内に新人議員が増えた。中には導入に慎重な議員もいる。党内でもしっかりと議論を行いたい」

丁寧な論議を

--立民は24日に召集される通常国会に選択的夫婦別姓制度を実現するため、民法改正案を提出する方針だが、国民民主の対応は

「立民案がどのような内容になるのかということによる。今の時点で立民案に賛成するかどうかは明言できない。子供の姓をどうするのかという具体的な制度設計を見定めたい。立民に案があるのであれば話は聞きたい」

--立民の姿勢は自民党を揺さぶるための政局的な動きとの指摘もある

「多くの国民にかかわることであり、政局的なものにせず、与野党を超えて、できるだけ幅広い合意を得る丁寧な論議が必要だ」

--選択的夫婦別姓制度は通常国会で成立させるべきか

「与野党で合意が得られれば成立させればいいとは思うが、強行採決をして決めるような話ではない。やはり国民の多くが納得できる合意形成が大事で、選択的夫婦別姓を認めることが善で、認めないことが悪であるという分断が起きないようにすべきだ」

当事者の声が大事

--内閣府が4年3月に公表した調査では、「旧姓使用の法整備」を求める声が42・2%と最多を占めた。「別姓導入」は28・9%、「現状維持」は27%だった

「生まれたときから使っている姓を使い続けたいというニーズは明確にある。男女を問わず、旧姓で多数の論文を書いていた研究者が姓を変えたことで検索に引っかからなくなったという話や、結婚すると姓を変えなければならないので踏み切れないという話も聞いてきた。旧姓使用の法的な位置づけをより広げていくというのも1つの案だと思う」

「ただ、旧姓使用を広げることだけではどうしてもカバーしきれないところがどこまで残っているのかをきちんと明らかにすることも大事だ。立法事実にもなるので、しっかりと調べて冷静に議論を深めるべきだ」

--小中学生約2千人に対する産経新聞のアンケートでは、同じ家族で名字が別になることに半数が反対した

「小中学生も含め、これから結婚してどういう姓を選択していくのかという当事者の声を丁寧に聞くことは大事だ。ただ、この件は少数者の意見をどこまで制度上可能にするのかということなので、多寡で判断するものではない」

--国の制度そのものにかかわるため、慎重な議論が必要になる

「暮らしにかかわるので丁寧な合意形成は大事だ。国民の声や現状の弊害がどの程度あるのかということを詰めていかなければいけない。国民全般が受け入れられる制度をつくるべきだ」(聞き手 永原慎吾)

立民・野田氏は「なぜ反対か分からない」

自民・高市氏「最大数は通称使用を求める声」

参政・吉川氏「子供の視点見過ごされている」

会員限定記事

会員サービス詳細