<スキマバイトの隙間 乱立するアプリの陰で>労災編②
もし職場に向かう途中、不幸にも交通事故に巻き込まれたら。
通勤・退勤中の事故には、正規雇用かアルバイトかを問わず労働者災害補償保険(労災保険)が適用される。
しかし、面接や履歴書なしで空いた時間に働ける「スキマバイト」では、労災保険が適用されない可能性があるという。なぜなのか。
そこには、アプリ運営会社「タイミー」が特許を持つ、ある仕組みが大きく関わっていた。(加藤豊大)
◆「労災不適用」を売りにセールストーク
「労災不適用って。それ、公式の見解ですか?」
神戸市で造園会社を営む男性(49)は、思わず聞き返した。
2024年夏、タイミーの法人営業担当者から「人手不足で困っていませんか」との電話があった。
何度か打ち合わせを重ねる中で、担当者がこう話した。
「タイミーなら、ワーカーが通勤中に不慮の事故に遭っても労災不適用になります」
通勤途中の労災適用のルールを尋ねると、そう返ってきた。
「スキマバイトは企業にとって各種保険の負担が少ない。そこがまさにタイミーのポイントなんです」
そんな「セールストーク」が続いたという。
◆タイミーは「弊社に判断の権限がない」
男性はこれを聞いて驚いた。
通勤や退勤時間も、業務に関連した移動だと認められれば通常、労災保険が適用されるとの認識があったからだ。
しかし、ある理由から、タイミーでは、こうしたケースでも労災保険は「適用されない」のだという。
後日、同じ営業担当者に再び確認すると、...
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