• X
  • Facebook
  • RSS

ミドルエンジニアの「基礎体力」を養いたい。リクルートグループのニジボックスが研修プログラムに込めた熱き思い

リクルートグループのニジボックスでは、データ領域のミドルエンジニアを募集しています。今回はミドル向けの研修プログラムに着目し、同社がミドルエンジニアの採用・育成にかける情熱を伝えます。

ニジボックスミドルエンジニア企画トップ画像

データ領域でリクルートとともにプロダクトを「共創」できる専門家集団の立ち上げを進めるニジボックスでは、現在「データ人材」の採用・育成に注力しています。

その象徴が、業務水準の知識やスキルをスピーディーに身に付けてもらうための、新人向け「インプットプログラム」。リクルートグループに溜まったノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ、ハイクオリティな教材です。

前回の記事では、そのインプットプログラムがジュニアエンジニアの成長をどのようにバックアップしているのか、という点にフォーカスしました。

hatenanews.com

今回は、よりハイレイヤーなミドルエンジニア向けの研修プログラムに着目。ジュニア向けプログラムとの違いやその作成意図について掘り下げます。

ミドルエンジニアに必要な「基礎体力」を養う、というテーマで作成されたそのプログラムは、さまざまな局面に対処する上で必要な「本質的な学び」につながるもの。

研修プログラム
研修プログラムの一部。いずれも選択式ではなく論述式の問題で、解答には各トピックに対する深い理解や言語化のスキルが必要

どのような目的で、どのようなプロセスで、このプログラムは作られたのか。作成を担当した、ニジボックスの遠峯康夫さんと阿部誠也さんに伺いました。


遠峯康夫さん近影

遠峯 康夫(とおみね・やすお)
データエンジニアリング室 室長
データエンジニアの採用や育成を管掌する。今回取り上げるミドルエンジニア向け研修プログラムの作成責任者。


阿部誠也さん近影

阿部 誠也(あべ・まさや)
データエンジニアリング室 プロダクトグロースエンジニアグループ マネジャー
ミドルエンジニア向け教材の制作をメインで担当する。

※この記事は株式会社ニジボックスによるタイアップ広告です。

なぜミドルエンジニアこそ「基礎体力」が求められるのか

── この研修プログラムは、データエンジニアリングの領域にとどまらず、Webサービスやアプリの開発・運用に関する幅広い知識を深いレベルまでカバーしているように見受けられます。似たような内容の書籍や資料がパッと思いつきませんが、一体どのような考え方に基づいて設計されたのでしょうか。

研修プログラム
研修プログラムの一部

阿部誠也(以下、阿部) ミドルエンジニアに「エンジニアとしての基礎体力」を付けてもらうことを主眼に設計しています。

── 「基礎体力」とは具体的にどういうことでしょうか。なぜジュニアエンジニアではなく、ミドルエンジニアこそ「基礎体力」が重要と言えるのでしょう?

阿部 ミドルエンジニアは技術選定やシステム構築、障害発生時のトラブルシューティングなど、時に複数の観点を参照しながら難しい判断を下さなければなりません。ここは、指示された範囲での実装や仕様に則った開発といったタスクを中心に受け持つジュニアエンジニアと異なる点です。

こうした局面で判断を下すために必要な知識・技術体系を私たちは「基礎体力」と呼んでいます。

── ジュニアとは異なるレベル感のタスクをこなす上で必要なもの、ということですね。

阿部 はい。私たちはミドルエンジニアに必要な3つの要素を定義していて、これらは研修プログラムの設計思想の下地ともなっています。

1つ目が「基礎的な知識を深いレベルで理解すること」。ジュニアよりも上流のポジションを担うミドルエンジニアだと、業務上の細かな知識をすべて覚えるのは時間的にも難しいでしょう。だからこそ、基礎を完全に理解する。基礎を完全に理解していれば、新たな知識を学ぶ土台やとっかかりにもなります。

2つ目が「必要な知識を自力で獲得すること」。1つ目にも通じますが、自分に足りないものを理解し、かつそれを習得するための方法論を知らなければ、ミドルエンジニアとしてさまざまな案件を自走できません。

最後が「確たる論拠に基づいて判断し、その判断を言語化して周囲に説明すること」。例えば、技術選定にあたって、なぜその技術方針を採用するべきなのか、ミドルエンジニアは説得力をもって周囲に伝えなければなりません。そうした言語化能力や説明能力を重視するからこそ、研修プログラムも論拠とともに説明することを求めるような問題設計になっているわけです。

【ミドルエンジニアに必要な3要素】

  • 基礎的な知識を深いレベルで理解すること
  • 必要な知識を自力で獲得すること
  • 確たる論拠に基づいて判断し、その判断を言語化して周囲に説明すること

遠峯康夫(以下、遠峯) あくまで原理原則を重視しているので、知識を点で覚えるのではなく、点と点がつながって線に、線と線がつながって面になるレベルまで理解してほしいと考えています。

ITの世界は取り組み始めることが比較的容易で「細かいことまで分かっていなかったとしても、趣味的にものづくりをしやすい」という特徴があり、そうした点は魅力の一つだと思います。一方で、プロフェッショナルのITエンジニアとしては、プロダクトを作って終わり、ではなく、保守管理や将来の発展の責任も負わなければならない。その時こそ「基礎体力」が問われるのではないでしょうか。

例えば、システムに障害が発生した場合も、ネットワークなども含めた知見があれば疑わしい箇所を迅速に特定できる(問題のない箇所を「問題ない」と断定できる)ため、復旧のスピードに大きく影響しますよね。イレギュラーな状況に対応するには、その領域の本質を理解しておく必要があります。

── そうした対応の「安定感」はミドルエンジニアならではかもしれませんね。

遠峯 あと個人的に、ミドルエンジニアは互いに議論を交わしてプロダクトを成長させられるレベルの人たちだと思っていて。そのためにも「三人寄れば文殊の知恵」となれるような共通の知識基盤が必要なのではないかと。

── データエンジニア向けの研修なのに、ネットワークだけでなく、オブジェクト指向やリファクタリングなどのトピックも含まれているのは「知識を線や面でつなげる」ことを意識されているからでしょうか。

研修プログラム
研修プログラムの目次。幅広いトピックが学べる設計となっている

阿部 それも一つですが、もう一つ。ミドルエンジニアは社内で「プロダクトの成長を牽引するポジション」として位置付けています。プロダクトを成長させるためには設計品質やコード品質の担保が中長期的に必要ですから、今おっしゃったジャンルの知識が欠かせません。

遠峯 ミドルエンジニアの業務に必要なトピックを網羅的に、そして深く学べるので、この研修を経ると、エンジニアとしての市場価値も上がるはずです。言い換えると、エンジニアとしてつぶしが利くようになるということですね。

遠峯康夫さんインタビューカット

ミドルエンジニアが成長できる環境や仕組みが用意されています。少しでも興味がわいたら👇気軽にクリック!

シニアエンジニアが「何か月にもわたって」激論。作問の舞台裏

── プログラムの作成プロセスを伺いたいのですが、最初に何か参考にされたものはありますか。

遠峯 ITシステムについて学ぶという点では、情報処理推進機構(IPA)が行う情報処理関係の試験や、個別の技術領域はそれぞれの専門書を一部参考にしましたが、基本は複数のシニアエンジニアで「これは必要だよね」「ここはいらないかも」と話し合いながら固めています。

研修なのでボリュームを増やし過ぎても本末転倒ですが、一方でミドルエンジニアとしての知識レベルを担保しないと受講者が将来苦しむことになる。そうした観点も踏まえて、いろいろな経験を積んできたエンジニアが何か月にもわたって侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をしました。

── すごい、一大プロジェクトですね。でも、オリジナルで問題を設計していくのは大変だったのでは?

阿部 そうですね。だから、事前に「作問にあたってのガイドライン」を策定し、それに沿って作問していきました。

研修プログラム
作問ガイドラインの一部

── このガイドラインは随時アップデートしているのでしょうか。

阿部 はい。問題文が不十分だったために、出題者の意図から外れた解答が複数寄せられてしまうことが以前あって。同様のことを防ぐため、問題の前提条件を追加するなどしてガイドラインをアップデートしています。

── 作問に困った時立ち戻れるドキュメントがあるのは良いですね。でも、このガイドラインも含め、作るにあたってシニアエンジニアの間で意見が分かれた場合、どのように決着をつけましたか?

遠峯 確かに、どの分野・どの要素を問題に入れるか、という議論があり、そのためのミーティングも数か月にわたって行われました。自分たちの経験を振り返りつつ、各部署に配属されているミドルエンジニアの様子も見ながら、どんな知識とスキルセットがあれば活躍できるか、という観点ですり合わせました。

ちなみに、この議論は現在も定期的に行っていて、研修プログラムの内容も継続的にアップデートしています。作成を始めた当初から、研修プログラムが完成することはないよね、というのが共通認識になっていましたから。

阿部 特定の業務知識に偏らないというのも、当初から出ていた方針でした。その上で「ここの知識は必須だ」「ここはもっと重点的にすべき」という議論のなかで出た意見は、ガイドラインや問題に適宜反映しました。今後も、受講者のフィードバックなどを見ながら内容をブラッシュアップする想定です。

── お話を伺っていると、研修プログラムを作成したエンジニアにとっても、自分の知識とスキルを改めて確認する良い機会になったのかもしれないですね。

阿部 おっしゃる通りです。私も年齢的にはミドルエンジニアに近いので、常に「受ける側の視点」でプログラムを作るよう意識していました。実際、作成途中に改めて「ここが弱かったな」というところが確認できましたし、他のシニアエンジニアからも同じような気付きがあったと聞いています。

阿部誠也さんインタビューカット

実はレビューする側も大変。「高得点を取ること」ではない、研修の真の目的

── 実際にこの問題を解答して、レビューするプロセスとはどのようなものなのでしょうか。

阿部 ある問題を文章で解答してもらい、その解答に対してメンターがレビューするという形式です。先ほど少し触れましたが、各問題は正解・不正解が一律に定まっているわけではありません。「こういった観点で理由を説明してください」など、筋道立てて説明することを求める内容なので、メンターの間でも「これを正答としていいか、誤答とすべきか」みたいな議論になる時があるんですよ。

例えば、「NoSQLは速い」のような解答が上がったとして、NoSQLにそもそもどんな特性があって、どういう時に速くて、速さの裏に何かしらのデメリットがないのか、というところまでしっかり書かれているかどうか、とか。

── それはレビューする側も大変じゃないですか?

阿部 大変ですね。それに、仮に間違っていたとしても「ここがこう間違ってます」とレビューはせず、「こういう観点で考えるとどうですか?」などと提案して、あくまで本人に考えさせるようにしているのでコーチング的な要素もあります。「自走」というキーワードをお伝えしましたが、単純に高得点を取るのが目的ではなく、あくまで自分で答えにたどり着いてもらうのが目的ですから。

遠峯 とはいえ、問題のレベル自体は指定した参考書籍を読み切って理解できれば概ね解けるような難易度に設定しています。それに、もともと理解している分野なら、書籍を読まなくても解けるくらいのレベルを想定しているので、そこは自分の知識水準に合わせて解いてもらえればいいかなと。

阿部 基礎的な知識を日常業務のなかでしっかり活用できていれば、スラスラ解けると思います。

逆に、分かっていたつもりだったけど浅い理解で止まっている、というトピックに関しては、解答に時間がかかるかもしれません。そういうポイントを浮き彫りにして補完する役割もこの研修にはあると思っています。

── とはいえ、最近は生成AIのように筋道立てた文章をスピーディーに作るツールも出てきましたよね。そこを対策する必要はないのでしょうか。

遠峯 AIは問題の裏の意図までは理解できないので、仮に使ったとしても、おそらく不十分な解答しか導き出せないと思います。

もちろん、プロンプトを工夫すればChatGPTに解かせることができるのかもしれませんが、そこまでAIを使いこなすには、受講者自身が問題の意図を完全に理解できている必要があるので、それはそれで研修の目的にフィットしていますよね。

遠峯康夫さんインタビューカット

── (笑)。目的は正答することではなく「完全に理解すること」ですからね。

二人が「ミドルエンジニアになった」と感じた瞬間

── ちなみにお二人はジュニアからミドルエンジニアになった際、具体的にそれを実感できるようなことはありましたか?

遠峯 今思えば任される仕事の質が変わっていたのでしょうが、当時はさほど感じなかったかもしれません。ただ、周りから寄せられた質問のレベルが上がる、大きな案件で頼りにされる、などの経験を通じて自分がミドルになったのかもしれないと思ったことを覚えています。

同時に、自分でもっと学ばなければならない、という意識も強まりましたね。同じミドルエンジニアと議論する際や提案書を作る際にも、自分に足りないものを強く自覚するようになりました。

阿部 大きな案件に対して、ゴールまでの道筋を自分で引き、それに沿って必要な情報収集をし、自力で遂行できた時、少しは成長できたかなと思ったことがありました。

阿部誠也さんインタビューカット

── ありがとうございます。そうした感覚は、まさに今回取り上げてきた研修プログラムの中身ともリンクしているように感じました。最後に、研修プログラムも含め、そもそもミドルエンジニアがニジボックスで働くことのメリットは何だと思いますか?

阿部 やはりエンジニアリングにまつわる知識の土台となる部分を研修で学べることではないかと思います。特にデータエンジニアリングは技術の移り変わりの激しい分野で、新しい知識やスキルの継続的な習得が重要となります。でも、今回お話しした研修は、そうした新しい知識や技術を学ぶための取っかかりになり得ます。

遠峯 「やりごたえのある案件」に取り組める機会が多く、かつ取り組むために必要な「基礎体力」をつける研修プログラムというOFF-JTもしっかりと用意されている。その2点でしょうか。

リクルートとの共創案件は、研修で身に付けた知識を活用する場所として申し分のない規模感のプロダクトです。ミドルエンジニアとしてのキャリアをしっかり固めたい、という方、ぜひ一緒に働きませんか。

ニジボックスミドルエンジニア企画談笑カット

株式会社ニジボックスではデータ領域に携わるエンジニアを募集中!

ミドルエンジニアが成長できる環境や仕組みが用意されています。少しでも興味がわいたら👇気軽にクリック!

🔗 関連記事:リクルートのデータエンジニアの活動もチェック👇

はてなニュースでは、リクルートのデータ組織・データエンジニアに取材したタイアップ広告を継続的に掲載しています。ぜひお読みください! 👀✨

hatenanews.com

hatenanews.com


[タイアップ広告] 企画・制作:はてな
取材・文:青山祐輔
撮影:小野奈那子