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音楽教室とJASRACが楽曲演奏利用料で合意:結構衝撃的な金額

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

もうずいぶん昔の話のような気がする音楽教室におけるJASRAC管理楽曲の演奏に関する著作権問題ですが、本日付で、JASRACと音楽教室側(音楽教育を守る会)の利用料金に関する合意が成立した旨の発表がありました。

合意された利用料金は以下のとおり結構衝撃的です。

  • 大人のレッスン:受講者一人当たり年額 750 円
  • 中学生以下(こども)のレッスン:受講者一人当たり年額 100 円
  • 極少利用(普段は管理楽曲を使用しないが、年に数回程度利用する場合)の対応として、レッスン単位および曲単位での使用料を定める
  • 個人で経営する教室については適用対象外

元々JASRACが求めていた月謝の2.5%(仮に月謝を8,000円とすると年額2,400円に相当)に比べると大部安価になりました。最高裁判決において、生徒の演奏にはカラオケ法理が適用されない(著作権利用料の対象外)とされたことを加味しても、JASRAC側がかなり譲歩した印象です。元より”子供たちから音楽を奪う”レベルの金額ではなかったとは思いますが。

この件については、かなり精力的に記事を書いた記憶があります。私が書いた過去記事については、最後に書いた記事「JASRAC対音楽教室裁判の最高裁判決について」の中にリンク集がありますのでご参照ください。

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ありがとうございます。
弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

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