「米国は二度とWOKEにならない」トランプ氏施政方針演説、「女子競技から男性は排除」

米上下両院合同会議で施政方針演説に臨むトランプ大統領=4日、ワシントン(ロイター=共同)
米上下両院合同会議で施政方針演説に臨むトランプ大統領=4日、ワシントン(ロイター=共同)

トランプ米大統領は4日夜、上下両院合同会議での施政方針演説で、今年1月の就任後にバイデン前政権が推進した「多様性・公平性・包括性(DEI)」の取り組みを停止したことを実績として掲げ、「米国は二度と『WOKE(ウォーク)』にはならない」と強調した。ウォークは「目覚めた」の意味。LGBTQ(性的少数者)の権利拡大や気候変動対策などで行き過ぎた政策を推進するリベラル的な活動家を批判する際に用いられる。

トランプ氏は性自認に基づく性別の扱いを否定し、「米国の政策として性別は男性と女性しかない」と訴えた。

議場では、高校時代にバレーボールの試合で対戦相手のトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)選手にボールを打ち付けられ、重傷を負ったペイトン・マクナブさんが、トランプ氏の演説を見守った。

トランプ氏は、ペイトンさんを見やると「高校の素晴らしい選手で大学での競技を楽しみにしていたが、男性に顔をボールを当てられて体がマヒしてしまった。夢をあきらめざるを得なくなった」と説明。「学校は女子チームから男性を排除する。そうしない州は連邦政府から資金を受け取れない」と叫ぶと、議場からひと際大きな歓声がわいた。

トランプ氏は「医師、会計士、弁護士、空港管制官だろうが昇進(に際して考慮されるべき)はスキルだ。人種やジェンダーに基づくのではない」と実力主義を強調。人種差別が米国の法律や社会制度に組み込まれているとしてウォーク派が推進してきた「批判的人種理論(CRT)」を転換させる方針を強調した。(奥原慎平)

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