ポーランド首相、50万人規模に軍拡大へ-ロシアと数年で戦争もと警告
Natalia Ojewska-
ロシア、「はるかに大きな相手」との軍事対決を準備-トゥスク氏
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ポーランドは過去最大の軍事予算計上へ、全ての成人男性に軍事訓練

軍事区連に参加するポーランド兵(同国北部、2023年)
Photographer: Wojtek Radwanski/Getty Imagesポーランドのトゥスク首相は、向こう数年のうちに欧州とロシアは戦争になる可能性があると警告した。このためポーランドは軍事力を強化し、全ての成人男性に軍事訓練を施す意向だと表明した。
トゥスク氏は7日、政府としては軍の規模を50万人にまで拡大したいと議会で発言。フランスの核能力を欧州の同盟国を守るために使用するというマクロン仏大統領の提案について、ポーランドは「真剣な協議」に入っているとも語った。
ロシアが今や再軍備と大規模な動員を進めていることに「疑いはない」とトゥスク氏は断言し、ロシアがウクライナに対してだけではなく、「はるかに大きな相手」との全面的な軍事対決を準備していることが示唆されると指摘した。
この前日に欧州連合(EU)首脳は防衛強化で数千億ユーロを動員するため、ブリュッセルで会談を開いた。米国のトランプ政権は自らが担う欧州防衛の役割を縮小させたい意向を示しているため、欧州は独自でロシアを抑止する能力を緊急に構築する必要がある。
トゥスク氏はブリュッセルで6日、欧州はロシアとの軍拡競争という課題に立ち向かい、「勝たねばならない」と記者団に語った。
ロシアの飛び地、カリーニングラード州と国境を接するポーランドは、既に国内総生産(GDP)に対する防衛費の割合が北大西洋条約機構(NATO)加盟国の中で最も高い。同国政府は今年の防衛予算をGDP比4.7%と前年の3.5%から引き上げて1866億ズロチ(約7兆1500億円)とし、過去最高とする計画。
トゥスク氏はまた、ドローン生産でウクライナと協力すると発表した。ポーランドは対人地雷の使用を禁止したオタワ条約からの離脱も目指していると述べ、同様の決定を先週下した隣国のリトアニアに続く姿勢を示した。
原題:Poland to Boost NATO’s Third-Largest Army to Half a Million (2)(抜粋)