都心から3時間で見に行ける「ロケット発射場」が計画中

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  • author 中川真知子
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都心から3時間で見に行ける「ロケット発射場」が計画中
Photo: @Astro Gate

宇宙ビジネスが世界的に盛り上がりを見せる中、もっと宇宙に興味を持ちたい、もっと理解できるようになりたいと思っている人は多いと思います。

私もそうなんですが、宇宙関係ってなんか小難しい印象があるんですよね。本を開いたところで急に物理の話が始まっちゃうし、月と金星以外肉眼ではあまり見えないし、ロケットが見たくても発射場は遠い。

でも、これからはロケット発射を気軽に見に行けるようになるかもしれないんです。

福島にスペースポートを作るって?

東京から新幹線や車で3時間ほどで行ける福島県南相馬市。この沿岸を拠点に、ベンチャー企業ASTRO GATEスペースポート(宇宙港)を整備する計画を掲げています。

同社はスペースポートだけでなく、周辺地域開発をソフトとハードの両方からサポートし、宇宙ビジネスで日本を元気にしたいと考えているんですって。

ほら、スペースポートがあれば、興味がある人たちが集まってくる。人が集まれば食べる場所も宿泊所も必要になる。学びの拠点も増えるでしょう。宇宙ビジネスで街を活性化させられると期待しているんです。

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@Astro Gate

そんなASTRO GATEは、すでに民間宇宙スタートアップAstroX社が設計制作した超小型ハイブリッドロケットや、神奈川大学宇宙ロケット部のハイブリッドロケットの打ち上げに協力し成功させているんですよ。

「簡素」な発射台がイイ!

ロケットの打ち上げというと、種子島宇宙センターとかSpaceXのスペースセンター・ヒューストンみたいな大規模なものを想像しませんか。

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@Astro Gate

でも、実はとっても「簡素」なんです。ちょっと拍子抜けしたくらい。これは、予算を抑えて持続可能にしたいからというのもありますが、意外性も大切にしているから。

ペットボトルロケットの延長線みたいな規模感でも、約4.5メートルのロケットを高度1万メートル以上まで打ち上げられると知れば参入障壁も下がらないでしょうか。

将来的には大規模になる可能性もあります。洋上発射や水平着陸になるかもしれません。もしかしたらスペースポートではなく、他のポートから発射されたロケットのエンジンを回収するスペースセンターになっていくかもしれません。いろんな可能性がある中での計画ですが、現時点ではシンプルな規模感でロケット発射の協力をしているんですって。

気軽にロケットを見に行く日は近い

ロケット発射場の近所に住んでいない限り「ロケット見にいこうか」なんて気楽に言えません。

たとえば、世界で一番美しいと言われる種子島宇宙センターに行きたいと思ったら、飛行機+フェリー+ホテル+タクシーの予約が必要です。もちろん激混み、金額だって安くありません。しかも、必ずしもロケット発射を見られるわけじゃない。天候もコンディションも重要だし、土壇場で延期になるかもしれません。ロケット発射を見るって、ギャンブルみたいなものです。リチャードもスターシップの打ち上げは見られていません。

つまり、よほどの覚悟と熱意(と予算)がないと見られないんです。

でも、都心から3時間の福島だったらどうでしょう? 東京駅から新幹線とJRで行けちゃいます。しかも、ASTRO GATEの代表取締役社長 大出大輔氏曰く「発射場までは駅から徒歩30分くらいの距離です」とのこと。

そんなに近かったら、発射日が発表されてすぐに行く計画をたてられますし、たとえ、 延期判断になってもガッカリ感は少ないでしょう。なんだかグッとロケットが近くなった気がします。

近い将来、「フラっとロケットを見に行くツアー」とか組まれるようになるかもしれませんね。


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@Astro Gate

訂正[2025/04/04]記事タイトルを修正しました。