「安倍さんは熱と情でトランプさんを抱き込んだ」国民榛葉氏、石破首相に米関税対応で苦言

国民民主党の榛葉賀津也幹事長(松井英幸撮影)
国民民主党の榛葉賀津也幹事長(松井英幸撮影)

国民民主党の榛葉賀津也幹事長は8日の参院外交防衛委員会で、安倍晋三元首相を引き合いに、石破茂内閣に対しトランプ米大統領が打ち出した相互関税への対応を訴えた。「外交で熱量と情は大事だ。安倍さんは上手にトランプさんを抱き込んで拉致問題も日米通商交渉も頑張った」と述べ、「中小企業を守るため決死の思いで石破さんには交渉してほしい。昨日のぶら下がり会見、国民に熱量が通じなかった」と苦言を呈した。

相互関税などの関税措置を巡って、トランプ氏は7日の石破首相との電話会談直後、ベセント財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表に対日交渉を指示した。首相は翌8日になって、担当閣僚に赤沢亮正経済再生担当相を指名した。

榛葉氏は「トランプさんが担当を任命し、同時に石破さんは会見で『担当はこれから考える』。このスピード感だ。対応が後手後手に思えてならない」と指摘し、「やはりトップ同士の話し合いが大事だ。昨日の電話会談でトランプさんに3週間でも4週間でも待ってくれと時間的猶予を取るよう交渉すべきだった。何か刺さるメッセージを出せたのか」と述べた。

岩屋毅外相は、トランプ政権の関税措置を巡って世界貿易機関(WTO)への提訴について考えを問われ、「日米防衛協定上もWTO協定上も整合性について大いに疑念がある。選択肢としてはすべてテーブルの上に置き、効果的かを考えねばならない。当面は協議を通じて解決していく」と述べるにとどめた。

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